会社員マインドが無意識の消費を生んでいた
会社員は、「成長し続けなければならない」「今までと同じことをやっていては他者に勝てない」などというムードの中で仕事をしており、経済活動の中に組み入れられて日々を送っています。
こういう環境に長くいますと、無意識のうちにマインドも「会社員的なマインド」が染みついてしまうもの。
休日に消費しなければならないという錯覚
例を挙げると、GWやお盆休みになると、多くの人がお金を使って長期の休みを楽しむということがあります。
「せっかくの休みくらい日々の仕事のストレスから解放され、自分へのご褒美として贅沢をしよう!」ということ。
そして長期の休みが明け、休みの日の話題になって「休みの間どこか行った?」「お盆休み何してたの?」などと聞かれることがありますね。
この時、「何もせずに寝ていた」とは気が引けて言えないもの。
「充実した休み」を求める消費の罠
従って長期の休みの間に何もせずに家でじっとしているとお尻がムズムズしてくる気持ちになり、「自分も何かして休日を楽しまなきゃいけない・・・」というマインドが自然に出来てしまいます。
私も30年近く会社員をやっている間、長くこういうマインドから抜け出せませんでした。
もっともこういった「家で何もせずにのんびりすることに対するもったいない感、ちょっとした罪悪感」的なものを、会社員時代に自分の中で意識していたわけではありません。
ただ、長期の休みでなくても通常の土日の休みの日ですら、寝坊して昼前まで寝てしまった日には、「あぁ~、なんてもったいないことをしたんだ!せっかくの休みを半日無駄にしてしまった!」と大きな後悔をしていたものです。
こういうマインドにハマると、休みに日に家にいて頭を空っぽにしてぼんやり過ごすなんてことが出来なくなります。
午前中に寝坊してしまったとしてもそれを何とか午後に解消し、無理に人混みの中に出かけていってさして欲しくもないものを衝動買いしたり、お腹が空いてないのに高めのランチやカフェで時間を使うなど、可能な限り「充実した休み」を作り出そうとします。
今考えますとこういった行動は、「休みの日に何でもいいから消費し、充実した休みを送った気持ちになりたい」という、自己満足欲求から来ていたものだと思います。
ただ、こういう休日を過ごし、週が明けて月、火・・・と日が過ぎていくにつれ、休日にそのように過ごしたことでエネルギーが回復し、「日曜は充実した日だった」と振り返ることが出来たでしょうか?
まったくゼロだとは言いませんが、「無駄なことしたな、たかが1日の休みのためにしたくないものにお金いっぱい使って・・・」と、虚しく感じたことが大半です。
組織に束縛されて働いていると、こういうマインドが染みついてしまっており、せっかくの休みの日には「お金を消費して日々の会社生活のストレスを解消する」という行動に出てしまうのです。
早期退職後に直面する会社員マインドの問題
しかしこのマインドのまま早期退職すると少々厄介です。
ヒマつぶしや気持ちの充足は「お金を使って得られるもの」という勘違いしたマインドが出来てしまっており、早期退職して収入がなくなった(もしくは激減した)のにお金を使うレベルは会社員時代と同じとなれば、貯金が目減りしていきます。
従って早期退職後は、マインドを「会社員の消費マインド」から「退職者の消費マインド」に切り替える必要があります。
要は無駄な出費はなくし、必要なものにだけお金を使うようにしなければいけないということ。
退職者としての消費マインドへの切り替えの難しさ
これって言われると簡単ですが、実際早期退職してみると意外に難しい、ということが分かります。
私自身、こういった発想は退職した2年ほど前からネット記事やユーチューブで頻繁に目にしていたにもかかわらず、いまだに完全に自分の腹に落ちずに日々マインドを変えていっている途上です。
無駄な出費を避け、身の丈に合った生活を目指すマインドにシフトする
ちなみに世の中には20代や30代で早々に会社を辞め、たいした貯金もないにもかかわらず身の丈に合った生活をしている方もいて、こういった方の話は我々早期退職者も大いに参考になります。
たとえばこちらの動画です。(たくさんお金があるわけでもないのに「働かずに生きていく方法」を考えるという発想が、保守的な発想しか持てていなかった50代の私にとってかなり斬新でした!)