50代で早期退職した私が“キャリアブレイク本”に共感した理由

「若い人向けの話」と思っていた

「キャリアブレイク」という言葉を初めて見たとき、正直なところ「これは若い人の話だな」と思いました。今の仕事に違和感を持ち始めた20代、30代が、一度立ち止まって自分のキャリアを見つめ直す——そういう層が読むものだろうと。

でも、ある日、YouTubeのトップ画面にたまたま出てきた動画を見たことで、その考えが変わりました。

本は読んでいない。でも、刺さった。

本は読んでいないんですが、YouTubeで偶然この本の内容を紹介している動画を見かけました。いわゆる“要約系”といわれる動画ですが、それが意外にも刺さったんです。あれこれ考えていた自分の気持ちが、うまく言語化されているように感じました。

紹介されていたのは、北野貴大さんの『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』という本です。

キャリアブレイクの「5段階」——私にも当てはまった

この本の中で特に印象に残ったのが、キャリアブレイクを経験する中で人が通るとされる「心の5段階」です。

① 解放期 → ② 虚無期 → ③ 実は期(本音に気づく)→ ④ 現実期 → ⑤ 接続期

私自身の体験と重ね合わせると、実はかなり符合していて驚きました。

早期退職して約3年。思い返すと、私の「解放期」は本当に長くて、丸々3年ほどをそこに費やしていたと思います。もう二度と働きたくないとすら感じていた、あの頃。でも、ここ2ヶ月ほどで、②〜④までは一気に駆け抜けた実感があります。そして今、ようやく⑤の“再接続期”に差し掛かりつつある……そんなタイミングです。


バイトでもパートでも、自分が納得すればそれでいい

50代で退職した人間がキャリアブレイクを経て“再接続”すると言っても、正直その多くはバイトやパートレベルの話かもしれません。でも、それでいいと思っています。むしろ、そういう無理のない形で「働く」という感覚を取り戻していくことこそ、自分にとっての“回復”なのかもしれません。

実際、私はかつて「もう働きたくない」と荒んだ気持ちを抱えていました。でも今は、「少しなら働いてもいいかな」と思えるようになっている。これは、自分の中で大きな心の変化です。

50代のキャリアブレイクとは何か

若い人のキャリアブレイクが「再挑戦の助走」なら、50代のキャリアブレイクは「人生後半の整え直し」なのかもしれません。セミリタイヤという立場であれば、もうフルタイムで働く必要もない。自分が心地よいと感じるペースで働き、暮らすことができればそれで十分。

この本の「5段階モデル」は、そうした自分の変化をあらためて言語化してくれた、そんな不思議な納得感がありました。

おわりに

「若い人向け」と決めつけてスルーしていたら、きっと得られなかった気づきがありました。キャリアブレイクは、年齢に関係なく——特に私のようなセミリタイヤ組にも——“心の棚卸し”の時間として、とても意味のあるプロセスなのかもしれません。

そして今は、「自由に働いて、自由に暮らす」。それが、回復しつつある私の心にとって、ちょうどいい距離感なのです。

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