「FIRE(早期退職)」という言葉に憧れながらも、多くの人が口をそろえて言うのは、「でも、そのあとの節約生活って寂しそう」という不安です。
確かに、収入を大きく減らした生活では派手な消費はできません。旅行も頻繁には行けないし、外食も控えめになります。でも、それが「寂しい」のかと言えば——少なくとも私にとってはまったく寂しくありません。
なぜなら、私はこう思っているからです。
会社員という身分から離れられたことこそ、最大の贅沢だ。
ご褒美にぶら下げられていた「贅沢」
会社員時代、「たまには自分へのご褒美を」という言葉をよく耳にしました。
その“ご褒美”とは、たいてい以下のようなものでした。
- ちょっと高級なレストランでの食事
- 大型連休に合わせた国内外への旅行
- 好きなブランドの服やバッグを買う
確かに、こういった行動は「贅沢」に見えます。ですが今の私には、どれも一瞬で消えていった記憶しかありません。
ゴールデンウィークの旅行の帰り道、列車の中でふとよぎるのは、
ああ……また明日から仕事か……
という、あの重苦しい現実。
せっかくの旅行も、美味しい食事も、その場では確かに嬉しかった。けれどその“贅沢”は、3〜4時間もすれば過去になり、やがて心を満たしていた感覚も忘れていくのです。

「自由であること」の贅沢は、消えない
それに比べて、今の生活はどうでしょうか。
確かに、贅沢な食事や頻繁な旅行はないかもしれません。でも私は、朝起きたときに「今日、何をするかを自分で決められる」という、この感覚に毎日感謝しています。
- 満員電車に乗らなくていい
- 理不尽な会議に出なくていい
- 嫌な上司や取引先の顔色をうかがわなくていい
この「自由」は、旅行のように一瞬で終わることがありません。
この先も、ずっと続いていくのです。
寂しさを感じたら、動ける自由もある
それでも、どうしても「もう少しお金を使いたい」「節約生活に物足りなさを感じる」という時があるかもしれません。
でも、そのときには自分で動ける自由があります。
たとえば——
- 少しだけアルバイトやパートで働いてみる
- 投資や配当で副収入を目指す
- ブログやYouTube、コンテンツ販売などで発信してみる
正社員として朝から晩まで拘束されるわけではなく、「必要な分だけ働く」「できそうなことを試す」という選択ができる。
以前、私はこういうことをブログに書いたことがあります。
会社員は、たとえ莫大な利益を会社にもたらしても、“1年間のご褒美休暇”など絶対にもらえない。自由というご褒美は、会社員には一生訪れない。
でも今は違います。私はもう、自分の意思で時間を使える身分です。
節約が少し寂しいと感じたら、自分で選べばいい。それが、会社を辞めた今こそ得られた、本物の贅沢だと感じています。
節約=寂しさではない。むしろ、心の豊かさにつながる
節約生活が寂しいと感じるとしたら、それはたぶん、過去の自分や他人との“比較”があるから。
でも私は、もうそうした比較をあまりしなくなりました。
今の私は、外食よりも、家で簡単に作った素朴な食事に満足できるようになったし、旅行よりも、静かな平日の散歩に贅沢さを感じるようになりました。
節約生活の中で見えてくるのは、「モノ」ではなく「自分の時間」です。
そして、その時間に価値を感じられるようになった時点で、「寂しさ」なんて感覚はほぼ消えていくのです。
まとめ:FIRE生活は「節約が寂しい」ではなく「自由が嬉しい」
たしかに、FIRE後の生活には節約はつきものかもしれません。
でも、「節約しているから寂しい」とは限りません。
むしろ私は、会社員という肩書きを降ろし、自由な日々を手に入れたことが何よりの贅沢だと感じています。
この自由は、美味しい食事や高級ホテルでは得られなかった「持続する幸福」なのです。
FIREに興味のある方には、ぜひこの感覚を味わってほしい。
節約は、“自由”という贅沢を楽しむための自然な選択肢。
そして、「もっと使いたい」と思ったときには、自分で選び直せる自由もある。
そう思えば、節約もまた、心豊かに過ごすためのパートナーなのです。
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