自由と責任のバランス〜セミリタイヤ後の働き方模索記

50代でセミリタイヤをしてしばらくは自由な時間を満喫していましたが、最近になって少しずつ働き始めました。
そのなかで感じたことや気づきを、自分自身のリアルな体験としてお伝えしたいと思います。

無意識の偏見と自分自身へのブレーキ

まず、正直に告白すると、50代でバイトを始めるにあたって、自分でも気づかない「偏見」がありました。
若い頃、40代以上のバイトは珍しくて、少し変わった目で見ていたこともあります。
「この人、この歳でバイト?」といった色眼鏡です。これは30年以上前の話ですが、そうした無意識の偏見が実は自分の足を引っ張っていたのかもしれません。

しかし、今はそうした偏見は無用だと感じています。
昨今は日本人の人口構成も昔とは変わっており、年齢にこだわらず、多様な世代が一緒に働いていることが普通になっているという実態を感じます(外国人も沢山働いている)。

長いブランクは案外すぐに埋まる

働き始める前は、正直かなり躊躇していました。
「2〜3年も朝起きて出社しない生活をしていたから、もう朝型には戻れないんじゃないか?」と心配し、午後からのシフトにしようと考えたほどです。

ところが、実際に働き始めてみると、1〜2日で体も心も順応してしまいました。
「あの心配は何だったんだろう?」と笑ってしまうほどです。

そして何より驚いたのは、「こんなに簡単に元に戻るのか?」ということ。
長いブランクを経ても、自分の体がまだしっかり動くこと、動ける喜びを改めて感じました。
これならまだまだ全然いけるじゃん!という実感が、心の中にじわっと広がっていったのです。
長いブランクは、案外あっけなく埋まってしまうものだと実感しました。

働き方の欲、そして精神的負担の軽さ

「これなら全然いける」と思うと、今度は欲が出てきます(笑)。
午後からのシフトにしていると終わる時間が夜になるので、ならば朝から働いて16時や17時に仕事が終わるほうが開放感があっていいなと思うようになりました。
これでも会社員時代に比べて働く時間は少ないですし、何より残業がない、しかも週何日働くかは自分でシフトを出せる・・・

ホント、人間って勝手なものです(笑)・・・・。

また、週3〜4日のバイトとはいえ、会社員時代の精神的負担とは比べものになりません。
正社員として働いていた頃のプレッシャーは、まるで50倍、100倍くらい重かったのではないかと思うほどです。
あの責任の重さ、常に締め付けられるような日々が、いかに異常な状態だったかを今になって痛感します。

給料は正直かなり少ないですが、それ以上に精神的な負担の軽さに救われています。
「仕事に追われる毎日」と「自分のペースを保ちながら働く生活」の違いは、思っていた以上に大きいものだと気づきました。

「辞められる自由」が精神の軽やかさを生む

さらに、世の中には時給1,000〜1,300円くらいの仕事が星の数ほどあることにも気づきました。
これはつまり、「イヤになればいつでも即辞めて他に移れる」ということ。

会社員時代は、「辞めたら次がないかもしれない」と思って踏ん張っていたため、精神的にかなり縛られていました。
今は「続けるかどうかは自分で決められる」という自由さがあり、これが働くことをずいぶん気楽に感じさせてくれています。

50代リタイヤ者の就職難は誇張されている?

これまで何度かブログでも書いてきましたが、「50代のリタイヤ者に仕事なんてあるのか? バイトでも雇ってもらえないのでは?」という疑問。


ネットには「50代の早期退職後は悲惨…」といった悲観的な記事が溢れていますが、実際に応募してみると、必ずしも見込みゼロというわけではありませんでした。


むしろ「世の中は本当に人手不足なのでは?」と思う場面も多かったのです。
やはり自分で動いてみることが一番正確な答えに近づけると実感しました。

老若男女が一緒に働く現場のリアル

また、同じバイト先には若い人や女性パートばかりではなく、老若男女、さまざまな年齢層の人たちが一緒に働いています。
こうした多様な人材の姿を見ると、今の世の中が本当に人手不足なのだと実感します。

私見ですが、若い人たちは30年前の状況を知らないため、こうした多様な年齢や立場(主婦・主夫、セミリタイヤやFIRE達成者など)が一緒に働くのが「普通」だと思っているのではないでしょうか。
私たち世代の感覚とは違う、新しい常識が生まれているのだと感じています。

私の場合は「バイトでいい」と割り切っていること

もちろん、私は最初から「バイトでいい」と割り切っての再スタートです。
正社員での再就職を目指す方とは事情が異なるかもしれません。
それでも、「50代で仕事がまったくないわけではない」という実感は、多くの方に共通する希望になると思います。

まとめ

  • 長いブランクがあっても、働き始めると案外すぐに慣れるもの。
  • 働く時間やシフトは、自分の生活リズムや気持ちに合わせて柔軟に選ぶのが大切。
  • 会社員時代とは違い、精神的なプレッシャーが少なく、自分のペースで働けるのが魅力。
  • 世の中には多くの働き口があり、辞めたい時に辞められる自由もある。
  • 50代であっても、仕事の機会は意外とあり、老若男女が共に働く多様な環境が広がっている。
  • 何より大事なのは、かつて自分が持っていた「偏見」を捨てて、新しい自分の可能性を素直に受け入れること。

このブログが、同じようにセミリタイヤや50代での再就職を考えている方々の一助になれば幸いです。

コメント

  1. ブログの更新ありがとうございます。
    「無意識の偏見」は正直、私にもあります。
    でも、私のイメージしている労働現場はリタイア前の4、5年前のまま止まっていて、ひまやりさんの仰るように、一昔前のものでしょう。なので、勝手に想像している心理的ハードルは、余計なものに違いないと思います。
    そもそも、正社員とかパート、アルバイトとかの働き方にこだわっていることこそが、古い価値観のものでしょう。
    もっとアップデートしないといけませんね!それで自分の手足を縛っているのなら本当にもったいないです。

    • コメントありがとうございます。
      正社員とかパート、アルバイト・・・などで年齢や国籍、男女がごちゃ混ぜになって同じ職場で働くようになったのはいつくらいからなのでしょうね?
      私も会社員時代は世の中がここまで変わってきているということに全く気付いていませんでした。
      アルバイト=学生、パート=主婦、正社員=男性のビジネスマン、、、、こういう凝り固まった認識しかなかったです(笑)

  2. コメントありがとうございます。
    正社員として、しかも一つの会社に勤め続けていれば、世間のことに疎くなってしまうのは仕方ないですね。
    やはり、コロナ禍からの回復を契機に、世の中ガラッと変わってしまったように感じます。物価高で、賃金もどんどん上がっているのは予期しなかったことです。
    会社員時代の殆どをデフレで過ごしてきた私にとっては、ゲームのルールが変わったことを実感します。今までの常識や価値観をアップデートしていかないと、生き辛くなってしまいますね。

    • そうですね。
      確かに今までの常識や価値観を変えていかないと、社会に順応しにくくなっていくように感じます。
      今後、さらに多くの企業が早期退職を実施するでしょうから、同じようなことに気付く元会社員が増えていくでしょうね。