会社の早期退職制度に応じて3年。やっぱり辞めてよかったと思える理由
私は数年前、勤めていた上場企業(スタンダード市場)で実施された早期退職制度に応募し、会社を離れました。
会社員としては“まだ働き盛り”と呼ばれる年齢での決断でした。
よく「辞めたことに後悔はないか?」と自分に問いかけます。
正直に言えば、「あのまま残っていたらどうなっていただろう?」と考えることは今でもあります。
でも、それは後悔ではありません。むしろ、自分の選択が間違っていなかったと確かめ直したくなる感情なんです。
あの会社に残っていたらどうなっていたのか
退職時、社長から全社員に一斉メールが送られました。
内容は、「このたび早期退職いただいた皆様には、長年にわたり当社にご尽力いただき感謝しかありません。私としても断腸の思いで…」
と、内容は丁寧なものでした。
退職する社員への慰労と、残る社員に対しての安心感の演出。
その文章には社長なりの誠意がにじんでいたと思います。
しかし、あれから3年。
会社の業績はさらに悪化しました。四半期ごとにHPで公表される決算資料を見ても、売上も利益も右肩下がり。残念ながら持ち直す気配はありません。
もし、あのとき会社に残っていたら……
おそらく今も社内は張り詰めた空気に包まれていて、業績悪化を肌で感じながらの出社。給与が上がる見込みもなく、倒産の可能性に怯える毎日を過ごしていたかもしれません。
それを想像するだけで、「あぁ、やっぱり辞めてよかった」と思うのです。
極悪人のような感情に見えるかもしれません。ですがこれは、他人の不幸を願っているわけではなく、自分の選択を肯定したい気持ちの裏返しなのです。
ただし、辞めた今も順風満帆ではありません
もちろん、会社を辞めたからといって、すべてが楽になったわけではありません。
・FXで生活費をつくろうと日々チャレンジ中
・長年の会社員時代の精神的な疲弊が3年経っても抜けず、アルバイトを始める気力も出ない
・年金受給まで、まだ年数が残っている
現実は、決して甘くはありません。「自由と引き換えに、すべてが自己責任になった」という事実を、日々痛感しています。
昭和的キャリアモデルは、もう存在しない
私が会社に入社した当時は、「定年まで働けばあとは年金で安心」というモデルが、まだ“当たり前”のように信じられていました。
・終身雇用
・60歳定年
・60歳から年金支給
ところが今はどうでしょうか。
年金は65歳から。企業は40〜50代で社員に「第二の人生を考えろ」と促し、早期退職制度を活用してリストラを進める。
しかし、その一方で「退職後〜年金までの生活費モデル」は昭和の時代のようなオーソドックスなルートは用意されていません。
社会の仕組みは変化したのに、そこに対するセーフティネットや道しるべは、いまだに未整備のままです。
だからこそ、私はこう考えるようになりました
「会社を辞めたこと自体は、“正解”ではないかもしれない。でも、“自分で選んだこと”には違いない」
過去にしがみつくのでもなく、未来を過剰に怖がるのでもなく、自分で選び取った人生に向き合うこと。
それこそが、私にとって“自由”の意味であり、“早期退職の本質”だったのだと思います。
おわりに:これから同じ決断を考える方へ
この記事を読んでくださっているあなたが、もし「退職すべきか」「残るべきか」と悩んでいるなら、伝えたいことがあります。
・どちらを選んでも、完全な正解はありません
・でも、自分で納得して決めることでしか、人は前に進めません
私もまだ模索中です。
でも、「あの時辞めてよかった」と今思えていることは、今後の選択にも確かな支えになってくれるはずです。
あなたの人生にも、「自分で選んだ」と言える瞬間が訪れますように。
コメント