早期退職のお金の不安はこうやって消した

私の場合、早期退職の決断で唯一の不安は「お金」でした。

割増で退職金はもらったとはいえ、大卒以降会社に入社してからずっと毎月給料をもらうサイクルに慣れていたのが一気に0になるのですから、まずは何か月か生活してみないと感覚が分からないと思ってました。

ただ、日々精神が壊れる寸前で働いていたので早期退職しないという選択肢は自分の中にはなく、不安はあれど「とりあえず割増分もあるし、何とかなるだろう」と、希望的観測が強い中で早期退職を決断しました。

ちなみに私は、もともと人づきあいも苦手で、会社という多くの人と関わらなければならない場所にいるのがホントに苦痛でした。

なので、仕事を辞めたら人と接する機会がなくなって寂しいかな?なんて感情は一切湧きませんでした。

なので冒頭に書いた通り、早期退職決断で唯一といっていい不安が「お金」だったのです。

従って退職した日以降、毎日この不安をどうやって消すかを考えていました。

組織の憂鬱を知ってしまった以上再就職はしたくない

短絡的に考えれば早く再就職先を見つけ、毎月一定の収入が入ってくる状態を作ればいいということになりますが、私はもう2度と会社という憂欝な場所で働きたくないと思っていたので、「再就職」にはずっと抵抗を感じていました。

また、組織に属さず、軽くアルバイト的な働き方も考えましたが、これも「雇われる」という意味からすると再就職と何ら変わりません。

それでも退職して1~2か月は、「いずれどこかで働かないと、会社員時代の半分ほど稼ぐのは無理だな・・・」と、暗い気持ちに思っていました。

ただ、徐々に「会社員時代の半分ほど稼がなければ」、と思っていた自分の考えに疑問を持つようになったのです。

ネットで私より先に早期退職された方がアップしているユーチューブやブログを読んでいると、実は再就職していない人が多いことが分かってきました。

そしてその中の何人が、「節約」「消費を減らす」といった、出ていくお金を減らす策を取っていることに気付いたのです。

収入がない不安を消す最大の防御策は「節約」である

節約と聞くと、「会社を辞めて、それまでのような贅沢が出来ないのは寂しい」と考えるのが、世間一般の風潮だと思います(私も自分が辞めるまではそんなイメージを持ってました)。

ただ、退職してじっくり自分のお金の使い方を考察すると、無駄なものに随分お金を使っていることに気付きました。

また、そういったお金の使い方になっていたのは、会社という組織に属していた時に出来てしまった(せざるを得なかった)悪い習慣だ、ということにも気付いたのです。

一例をあげると、休日に暇つぶしにぶらっと出かけていた繁華街や、衝動買いなどの無駄遣いです。

会社員にとって休日というのは貴重な時間です。

なので会社員のマインドでいると、休みの日というのは「何かをして有意義に過ごしたい」「何もせずに家にいるなんてもったいない」といった思いが思考の大半を占めています。

なので、とりあえずあてもないのにフラフラと外出していたことも非常に多かったことも思い出しました。

休みの日に何もせずに家にいると、「あぁ~、せっかくの休みなのに1日何もせずにもったいなかった」と後悔するので、じっとしてはいられなかったのです。

会社員時代は、それは気分転換なのでそれでいいと思い、何の疑問もありませんでした。

ただ、そういう休みの過ごし方は、どこまでいっても「嫌な仕事から逃れている束の間の気休め」にしか過ぎないと退職して思うようになりました。

例えば休みの日にフラッと繁華街に出かた場合、交通費だけで1,000円ほどかかり、途中カフェでお茶して、その後地下街をぶらぶらしていたらちょっと気になるものを衝動的に買ってしまった・・・、という感じで休みの1日を過ごすと、これだけで少なくともすぐに2,000円や3,000円はなくなってしまいます。

こういう休日の過ごし方をしていたら、無意識のうちに無駄にお金がなくなっていくのです。

また、全ては会社という場所で溜めたストレスを、仕方なく休みで発散しているだけ・・・

ちなみに「休みの日に何かをしないともったいない」というふうに洗脳されているマインドは、退職しても最初は全く変わりませんでした。

そもそも、そういうマインドになってしまっている自分に気付くまでに、私の場合は退職後4か月くらいかかりました。

しかし会社員時代のようにふらっと繁華街に行ってブラブラしても、気持ちが全く満たされないことに気付いたのです。

つまり、お金を「使う」ことで人間というのは満たされるものではない、ということを50歳を過ぎて学びました。

もっとも寂しいのは会社という組織でまた働かなければならなくなること

また、一般的に思われている「会社員時代のような贅沢が出来なくなって寂しい」という考えについても、私の場合は違いました。

「一番寂しいのは、そんな無駄な休日の過ごし方をしないと解消出来ないほどストレスが溜まる嫌な会社にいる時間だ、という思いが噴き出してきたのです。

会社にいた時のあの寂しくて辛く、心が病む寸前の思いに比べたら、節約して無駄遣いを減らすなんて寂しくもなんともない、と自分の中でマインドが切り替わったのです。

この切り替わりが私の中では大きかったです。

これを機に少しずつ早期退職による「お金」の不安は消えはじめました。

また、こういうマインドで消費を減らせば、月に最低これくらいは「稼がねばならない」と考える必要もなくなります。

同時に、「またどこかで雇われなければならないのか」という憂鬱からもだんだん解放されるようになりました。

よくよく考えますと、収入が減るのだから消費を減らすと考えるのは当たり前です。

しかし30年も会社という組織の中で洗脳されると、そういった「当たり前」の考えも、いつの間にか頭の片隅に追いやられてしまっていた、ということなのです。

会社という組織は「利益追求」「売上アップ」ということばかりを優先しますので、我々社員も同じマインドに洗脳され、私も退職後しばらくは、「これくらいの額は『稼がねばならない』」という凝り固まった思考から脱却することが出来ませんでした。

なので、「会社なんて組織には長くいるもんじゃないな」、と改めて気付いた次第です。

私は「早期退職して分かった「ホントの幸せ」」の記事でも書いた通り、24時間365日すべてが自分の時間になる今の状態が天国なので、もうこれ以上何もいりません。

雨風がしのげる家があり、ごく普通に3食ご飯が食べられれば、それだけで十分です。

別に旅行なんて行かなくていい

よく退職したら悠々自適に世界旅行や国内旅行に行きたいという方がいますが、私は結構ですって感じです。

長い距離を移動すると、それだけお金がかかります。

お金がかかればまたどこかで雇われて奴隷のように働かねばならない・・・

こういう会社員時代に体験した「負のループ」は、もう絶対に嫌です。

会社員時代に旅行には何度か行きました。

ただ、旅行の最終日、帰路についている電車の中でふと「あぁ、また明日から仕事か・・・」と憂鬱な気持ちが湧いてきたことも思い出します。

なのでいくらお金を使っても、会社を辞めない限り、気持ちはスッキリ晴れないのです。

また、休日のお金の無駄遣い以外も、考えれば無駄はいくらでも出てきました。

ペットボトルの飲みものや、会社員時代の昼食もそれにあたります。

会社で働いていると、自動販売機やコンビニで手軽にペットボトルの飲み物を買います。

1本150円前後で、会社員の時は特に高い買い物とは思いませんでした。

また、昼食も食べないわけにはいかないので、1コイン(500円)くらいはやむを得ないと思ってました。

ただ、24時間365日自分の時間になれば、これらも大幅削減が出来ます。ペットボトルのお茶を2回買うお金で、麦茶などをつくるパックをスーパーで買えば、1か月は持ちます。

また、昼食は前日の夕食の残りがあればタダ。ない日はレトルトなどで済ませば1食100円くらいです。

しかも、会社で仕事をしないのでストレスが溜まらず、暴飲暴食をしなくなりますので、間食など、飲み食いに使うお金が格段に減らすことが出来ます。

会社員をしている時、「頑張った自分へのご褒美」「今日は疲れたから久しぶりにビール」・・・・・など、仕事のストレスが原因で浪費していることがたくさんありました。

それを「ささやかな楽しみ」と思ったこともありますが、早期退職した今、そんな「ささやかな楽しみ」のためだけにまたどこかで雇われて働くなんてもう御免です。

  • 行列が出来るラーメン屋・・・・・・・・・特に食べたくないです(カップ麺でいいです)
  • こだわりのパン屋さんのパン・・・・・・・同上(食パンでいいです)
  • やたら高いショートケーキやスイーツ・・・同上(家で作るホットケーキでいいです)

これらは全くいらないというのは、ちょっとオーバーですね(笑)。全く食べたくないわけではないですが、3か月に1回とかでいいといったところでしょうか。

このような会社員時代に「プチ贅沢」と思っていたことよりも、早期退職して得られた「24時間365日すべてが自分の時間になる」のほうが断然贅沢です!

尚、お金の不安では税金系も退職後は何かと不安でしたが、こちらも中身を勉強すると不安が解消しました。

税金・年金系の話は、また別の記事で書きたいと思います。

  1. ひまゆりさんの仰るとおりで、退職後は会社員時代「プチ贅沢」で自分にご褒美していた旅行や食事、買い物がしたいと思わなくなりましたね。先日、妻と北海道に旅行したのですが、「やっぱり家がいいな」と。スーパーで売っている中食と言われるお弁当やお寿司も安くて十分美味しいですしね。朝起きて缶コーヒーを飲みながらゆっくり朝刊を読めるのが至福の時ですよ。

    • コメントありがとうございます。
      節約を楽しみながら行っている方は、ネットで探すとたくさんいますね。
      しかも、「節約=お金が使えなくて寂しい」なんて雰囲気はまったくなく、むしろ「お金を使わなくて得られる幸せ」を見つけられて、見習い方が非常に多いです。
      これからもそういった生き方をしている方をたくさん見つけたいです。