日本は世界でも有数の経済大国で、世界各国からは豊かな国と思われています。
ただ、確かに金銭的には豊かかもしれませんが、サラリーマンの多くの心は荒んでいると思います。
少なくとも私はここ数年、会社にいて心が寂しくなることばかりでした。
これを書いているのは日曜日の夕刻ですが、会社員時代、この時間になると「あぁ、また明日会社か・・・」とげんなりしていたのを思い出します。
会社で働くことは精神的に辛過ぎる
ちなみに過去にも書きましたが、私がいた会社は、世間一般的にはホワイト企業と見られている会社で、スタンダード市場に上場しています。
ただ、そのような一般的にみれば優良と思われている会社でも、働いている人たちはホントに冷たい人が多い、というのが私が会社員時代の晩年に持っていた印象です。
「あの人に救われた」「あの人と仕事をしていたら安心感がある」という人物が、ホントにいなかったのです。
なぜこんなことになったのか?
私が感じていたのは、年々上層部の人間の「質」が低下していったからに尽きると思います
それまでの慣習から考えると、到底普通ではありえない常識外れとも言える業務を命じ、「今のうちの会社にとってはこれが必要」「過去と同じことをしていては他社に勝てない」など、もっともらしい理由をつけて、めちゃくちゃな指示を出してきます。
一般的にホワイト企業と思われている会社でこんな低レベルなのですから、ブラック企業といわれる会社の中身はどれくらい酷いのか?
そんなことを考えると、早期退職した後、新しい会社に再就職なんて、怖くて絶対に出来ません。
もともと、私は95%再就職はしないと思って早期退職に応募しましたが、辞めて以降改めて会社にいた時のことを思い返すと、その気持ちは95%→100%へと変わりました。
会社員の頃を思い出すと、沼にハマったまま抜け出せないような状況だったな、と思い出します。
罵声を浴びせない形でのパワハラというものが存在する
ホワイト企業(と見られている)会社なので、上司が罵声を浴びせたり、ミスした社員に大声で叱責するようなことはありません。
ただ、それでも社員の大半は、憂鬱な気持ちで仕事をしているのです(少なくとも私にはそう見えました)。
罵声は浴びせないものの、理詰めで部下を逃げられない心理に追い詰める人間がいます。
また、「○○君、ちょっといいか?」と部下を別室に呼び出し、そこで上手くいっていない業務についてネチネチと説明を求める上司もいました。
こういう上司は、何か問題が起こった際でも、たいていの場合自分で結論を下しません。
部下に2~3の案を出させ、その中でこれなら自分がまだ妥協出来ると思う案に、文句を垂れながらしびしぶ了承するという感じです。
なぜかというと、もしその案が上手くいかなかったとき、その上司がさらに上の上司に言い訳が出来るようにするためです。
「この案件は難しく、部下の○○君に案を出させて、彼の説明を聞いて他の案より最適だと判断しました」と、あくまでも全面的に自分が決めたのではないというふうに話を曲げるのです。
つまり「部下の意見の中の最適なものを選んだ」ということにして、自分を保身しているわけです。
そして上層部から再度検討と言われると、またその部下を別室に呼び、「もう少し考えられないか?」と追い詰めます。
ここでしばし沈黙があっても、部下は「分かりました」というまでその場から逃げられない・・・。
そりゃそうですよね、目の前に何も言わず沈黙した上司が無言の「圧」をかけてくるわけですから。
こんなことが日々、日本中のサラリーマン世界で起こっています。
これらは、よくマスコミが報道しているようなパワハラとは、ちょっと趣が異なります。
大声で叱責しないので周りにはパワハラだと分かりませんし、別室で打ち合わせをしているとなれば普通の仕事の話かと思うでしょう。
ただ、沈黙や、理詰めという「静かな圧」をかけてくる人間が、近年ホントに増えたなと私は思います。
私は今、運よく早期退職で会社という場所から逃げることが出来て、そういった「圧」を受けることはなくなりました。もう一生そんな思いはしなくて済みます。
ただ、気の毒なのは現役のサラリーマンの方です。
現役サラリーマンの場合、日々のストレスでエネルギーを奪われていますので、日々起こっている辛い現状を吐き出す場面すらないでしょう。
1日が終わり、世間の人に知ってもらおうとブログやユーチューブで訴えたいと思っても、そもそもブログの書き方やサーバーの登録方法、ユーチューブ動画をアップ方法などを覚えようとする気力すらないほと神経がすり減っていると思います。
日々日本のサラリーマンの多くが神経をすり減らして働いている
ちなみに日本には、サラリーマンの正規社員は約3,500万人もいます。
総務省統計局が出しているデータによると、2022年7~9月の労働力人口6,948万人のうち、「役員を除く正規の職員・従業員」の数が3,586万人もいることが分かります。
このうち、一部はホントにいい会社で、ほぼ不満なく働いているサラリーマンのかと思いますが、大半は毎日地獄のような思いで仕事をしているのが実態だと思われます。
ネットで見ても、サラリーマンに関するネガティブな情報が満載です。
ただ、そんな人たちが今の日本の経済を支えている中心になっているのが実態ですから、ホントに日本はこれでいいの?という感じです。
「サラリーマンが一番楽。なので、何が何でも定年までしがみつけ」という論調も、いまだに多いですが、そういうふうに主張する方には、救いようのない会社で働いた経験があるのか?と問いたいです。
ちなみに私は1つの会社に30年いましたが、売り上げが伸び、給料が上がっていた頃はまだ我慢出来ました。
当時から組織というのはろくな場所ではないと感じていましたが、報酬が増えれば「我慢料」と割り切ることも出来ました。
ただ、業績が低迷して賃金が抑えられ始めると、すべての歯車が狂い出します。
会社の活気もなくなり、次第に社員同士の関係もギクシャクし始めて、雰囲気が悪化します。
そして精神を病む人間が出て、人員が減ってしまった部署を気遣うこともなく、他部署は「仕事なんだから誰か代わりにやれよ!」的なことを平気で言う人間も現れます。
人間ってホントに冷たいな、と何度も悲しくなりましたよ・・・
ただ、そういう冷たい対応をした部署も、やがてうつ病者が出て人員が減ったりします。
すると今度は、その部署にブーメランが帰ってきて、他部署からつつかれることになります。
こんなことが繰り返されば、会社という組織は歯車がかみ合わなくなり、組織全体が病んでくるのです。
私見ですが、今の日本はこんな会社がめちゃくちゃ多いと思います。
表面的には豊かに見えても、毎日心の中で悲しみと憂欝を抱えているサラリーマンの数は莫大です・・・。
ホントに日本人の働き方って、これでいいのでしょうか?
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