ホワイト企業でもうつ病にかかる社員が多発する理由とは?

ホワイト企業でのうつ病発生率の高さについて

ホワイト企業においても、うつ病による休職者が多発しているのが、昨今の実態です。

私が勤めていた会社でも、2015年以降近しい部署で毎年1~2人が何らかの精神疾患で休職していたことを思い出します。なので会社全体ではさらに多かったのではと考えられます。

会社は精神疾患で休む社員の理由を「うつ病」とは明かしません。個人情報なので病名を開示してはいけないことが理由です。告げる人数も限定的で、大々的には行われません。ただ、「うつ病」とは言わないものの、理由も明かさずにしばらく休むというのは精神的な理由しかないと、残された社員はすぐにピンときます。

うつ病で休職した社員が復帰する場合、様々なパターンがあります。3か月ほど休職したが結局そのまま退社した人、2~3か月で回復して復帰した人、1年程度の長期にわたって休職し、復帰はしたが別の部署に配置された人、一旦復帰したが再度休職した人、休職後2週間も経たないうちに辞めてしまった人などです。

残された社員はうつ病者のカバーを有無を言わさずにさせられます。上司の対応が問われますが、課長・部長クラスの上司自体が、急に人員が減った事態にあたふたすることがほとんどでしたので、徐々に雰囲気は悪くなります。残った人間で業務をカバーしろと言われても、何の引継ぎもないまま急に休職するのですから、困惑やストレスがたまるのは当然です。

こういった状況では、一般社員の動揺を察知し、自ら積極的に動いてくれる上司が重要です。しかし、そういった上司がほとんどいないのが、今の日本のサラリーマン社会で日々起こっている実態です。

結局のところ、ホワイト企業でうつ病が多発する背景には、慢性的なストレスや過重労働、人員不足など、会社の体制に問題があると考えられます。企業としては、社員の健康管理に取り組むことが必要であり、また社員自身もメンタルヘルスについて意識を高める必要があります。