早期退職後の半年から1年は何もしない方がいい理由

※今回の記事は「早期退職の際に割増分が支給された方」、「失業保険の給付期間が200日以上ある方」向けになります。

早期退職直後の思考は「会社員モード」のままである

長く勤めた会社を辞めるというのは、実際に辞めてみないと何かと分からないことが多いですが、一番分からないのは「自分自身のマインドと言えるのではないでしょうか

この記事を書いている時点で私は早期退職して8か月ほど経ちましたが、会社員を辞めてからの期間を振り返ると、自分の意識や考え方、物事の捉え方や興味関心などが、徐々に変わってきたことを感じます。

退職が近づいた10日ほど前、会社で後輩社員とこんな会話をしていたのを思い出します。

後輩:「ひまやりさんは辞めた後、何されるか決めてるんですか?」

私:「いや、そういうのは辞めてからだよ。とりあえず1~2週間は休んで、それで自分の気持ちがどう変わるかだね。30年間、こんなに長期休んだことがないから、自分の気持ちがどう動くか分からないし・・・」

後輩:「確かにそうですね」

・・・・みたいな会話だったと思います。

ちなみにこの会話の際、後輩の頭にも私の頭にも、「いずれは再就職するんでしょ?」ということが根底にあります。

つまり、この会社は辞めるけど、また別のところで「雇われの身」で働くことが前提になっているのです。

サラリーマンの会話なんて所詮そんなもんだった、と今振り返ると思います。

サラリーマンとして会社に雇われている以上、「雇われ根性」とも言えるマインドがいつの間にか染み付いているわけですが、そんな思考は辞めてもすぐには変わりません。

辞める前に「とりあえず1~2週間は休んで、それで自分の気持ちがどう変わるか・・・」、なんてことを話していたのが、今考えると恥ずかしく、滑稽に思えてくるほどです。

ちなみに辞めた2週間後というと、初回のハローワーク訪問や、会社の紹介で登録した再就職支援会社への訪問などを行っている時期でした。

この頃の心境を振り返ると、会社員時代の有休に毛が生えたようなものだった気がします。

「いずれこの有休が終わり、また拘束されて組織という場所で働かなければならないだろう・・・」と、ふとよぎる憂欝で明るい気持ちになれなかったことを思い出します。

働かなくても何とかなるという発想になるまでの葛藤

ちなみに辞めた早々は、「自分が会社員のマインド(雇われの身)に侵されている」ことにすら気付きません。

  • 平日にブラブラしているとどことなく落ち着かない
  • アルバイトでもいいので、何か職に就かないとヤバいんじゃないのか?
  • 会社員の時ほど土日が楽しくない

・・・など、無職という自分の立ち位置が分からず、毎日落ち着きません。

私の場合、こういう心理状態が退職して3か月半くらい続きました。

それが変わるきっかけになったのが、以前にも一度記事に載せたこの動画です。

 

この動画をきっかけに、私は徐々に会社員のマインドが変わっていきました。

「雇われて働かなくても何とかなる」、「それ自体に後ろめたさを感じる必要なんて全くない」、「働く以外にお金を作る手段なんて、今の時代はネット使えばいくらでもある」・・・など、会社員時代には浮かんでこなかった思考が湧いて来るようになったのです。

ただ、そうはいってもそういったマインドに変わるまでに心の葛藤はありました。

30年もの間、「これが普通だ」と思っていたマインドを変えることは容易ではありません。

それ相応の時間もかかります。

また、その葛藤の要因は、「長い間雇われの身として働き過ぎたこと」ということにも気付きました。

すぐに再就職すれば一生社畜のままである

再就職支援会社を利用すると、一般的に早期に再就職する方が有利だ、担当者から促されます(私もこれは言われました)。

そして離職して期間が空くにつれ、再就職しにくくなるというふうに焦らされます。

冒頭に、「※今回の記事は「早期退職の際に割増分が支給された方」、「失業保険の給付期間が200日以上ある方」向け」と書いたのは、その場合目先すぐにお金に困ることがないという理由からです。

お金にすぐに困らないならば、「時間をかけて会社員のマインドを捨てる」こと徹する方が絶対にいいです!

私は今現在も、「日々マインド切り替えのアップデート中」という感じです(笑)。

会社員をやりながら「会社員モードを捨てることは出来ない」

「退職する際は、再就職先や辞めた後のことを入念に考えてから行動することが最適」なんてことが書かれた記事をネットではよく見ます。

ただ、現実にそんな理想を叶えることの出来る方は少数だと思います。

理由は、会社員時代はそもそも社畜生活で身も心も疲弊しているからです。

私も約30年の会社員時代に2~3回仕事が嫌で転職を考えたことがありますが、週5日働き、2日休む、というサイクルで拘束されている以上、大きくマインドを変えるには至りませんでした。

会社という組織で日々エネルギーを搾取されていて、土日の休みはその疲れを癒すことしか出来なかったからです。

もっとも、「こんなイヤなとこで働けるか!独立してやる!」みたいな気概とエネルギーのある方ならば、とっくに30代や40代で転職や独立をしていたことでしょう。

私のような50代で早期退職する人間は、そんなエネルギーがなかったから50代まで組織に雇われていたのです(笑)。

なので、早期退職後の半年から1年はゆっくり体と頭を休め、頭の中をリセットして会社員のマインドを払拭する期間にあてることがおすすめです。

  1.  こんばんは
     今日も勉強になるブログをありがとうございます。
     私も早期退職して1年半程になりますが、現在も、会社員マインドの切り替えアップデート中です。30年超の会社員マインドは、なかなかしつこいものです。でも早期退職して少しでも若いうちに別のマインドを模索できるのは楽しいことです。どう変わっていくか、自分の事なんですが、客観視している自分が不思議です。    
     幸いに経済的な心配は殆どありませんので、こんな気持ちでいられるんでしょう。経済的な不安があればこうも言ってられないでしょうね。

    • コメントありがとうございます。
      確かに30年間で植え付けられた会社員マインドを抜くのは容易ではないですね。私の場合、マインド切り替えに貢献してくれたのは、このブログで紹介させて頂いている多数のユーチューブ動画です。
      自分より若い方の話がこれほど退職後に参考になり、勉強になるとは全く想像もしていませんでした。