早期退職の募集というのは、多くの会社で何の前触れもなく突然行われます(私の在籍していた会社ではそうでした)。
業績の回復が見込めず、結果的に人件費を削って何とか経営を維持しようという苦肉の策で行われるという側面があるので、前触れなくやってくるというのは仕方ないのかもしれません。
なので早期退職の募集に応募する側の社員には、決断まであまり時間は与えられません。
従って私も、とりあえず見切り発車で辞めることを決断し、退職後の身の振り方は辞めてから考えることにしていました。
私の場合、辞める前は漠然と、「いずれはまた、どこかの組織に属して働かねばならないだろうな・・・」くらいしか考えていませんでした。
会社員のマインドでいると、「雇われて働く」ということ以外、選択肢が頭に浮かばなかったのです。
ただ、いざ退職してじっくり今後のことを考え始めると「もうあんな場所では一生働きたくない」、という思いが日に日に強くなりました。
理由については大きく分けて4つです。
- 組織という地獄のような場所で働くのが怖くなった
- 歳下の人間に指示されて仕事をするのがイヤ
- ネットという味方がある
- 時間に束縛されるのがイヤ
1.組織という地獄のような場所で働くのが怖くなった
会社員の経験をされた方ならば分かると思いますが、会社という場所はホントに地獄です。
仮に現役の会社員の方を集め、覆面座談会なんてことをやれば、9割くらいの人が、「辞めれるものなら今すぐに辞めたい」と言うのではないでしょうか・・・。
ネットやユーチューブを見ていても、同じような思いの方が大変多いことが分かります。
例えば、この動画です。
この動画を作成された方は、ターゲットを60歳以降の定年退職された方に向けて発信されたと思いますが、50代そこそこの私が見ても、実に共感出来る箇所がありました。
1分23秒当たりの箇所で、「現役時代の仕事のマイナス面の例」という表示が出てきます。
ここで表示された項目を見ていると、「うんうん」と頷くものばかりで、私が在籍していた会社だけでなく、どこも酷いもんだなぁ・・・と改めて認識します。
ちなみに、この動画を作った方も恐らく会社員を長く経験されたのだと思います。
画面に並んだ6つのマイナス面の例が、実際に自分が会社という場所で働いて体験しないと、絶対に頭に浮かばないリアル感があると感じたからです。
尚、この動画本来の趣旨は、「現役時代はこんなマイナス面があったが、60歳以降に働く場合は、もうこんな思いをしながら働かなくていいんですよ。だから、気楽な気持ちで仕事に就かれることも悪くないですよ・・・」的なことを言いたいんだと思います。
ただ、私は少々ポイントがずれた箇所に、ことのほか反応してしまいました。
私としてはこの動画を見て、「やはり会社という組織はどこでも一緒で最悪だ」という思いが強くなり、怖くて再就職は絶対にしたくないという思いを再認識した次第です。
また、別の動画でも、ちょっと違う視点から共感出来る部分がありました。
この動画は、30歳で早々に「組織」というものがいかに最悪で闇ばかりだということに気付き、リタイヤされた方が出しているものですが、会社を含めた資本主義社会の生き辛さにまで言及しています。
これを見ていると、「日本はいい国だ」「日本人は勤勉だ」などと一般的に言われていることについても、「ホントにそうか?」と改めて疑問を持つようになります。
再就職すれば、またこのような地獄の場所に戻るということになりますので、「やっぱりもう無理だ・・・」と、改めてこの動画を見て思いを強くしました。
2.歳下の人間に指示されて仕事をするのがイヤ
これは、世の中の歳下の人間全員に当てはまるということではないのですが、「組織」という場所においては、年齢はやはり何かと気を使う要素になるものです。
ちなみに私の会社員時代、私より歳下の管理職の中には、我々歳上の社員に気を使ってくれる人間もいました。
ただ、そういう歳下の管理職は、見ていて気の毒になるんです。
私などの「歳上の役職でない先輩社員」ですら気を使って接してくれるわけですから、当然役職が上の部長職や総本部長職など、幹部連中にはもっと気を使っています。
なので、社内でトラブルが起これば率先して先頭に立って激務をこなし、残業など当たり前で、休日もパソコンを持ち帰って仕事をしているように見えました。
なので私はそんな歳下の管理職を見ていると、「アイツ大丈夫か?そのうち壊れるんじゃないか?」といつも思っていたものです。
また、明らかに会社の上層部の人間の顔色をうかがいながら仕事をしている人間もいました。
このタイプは、歳上の平社員のことは眼中になく、中には「つまらないミスして、上長である俺が責任取らされるようなことはしないでくれ、俺のキャリアの邪魔をしないでくれ・・・」的な雰囲気で仕事をしているタイプもいました。
仮に50代の我々が再就職した場合、高い確率で上司は歳下でしょう。
これらも含めて考えると、またさらに再就職して組織に属する気持ちは湧いて来なくなります。
3.ネットという味方がある
早期退職してからというもの、ネットにどれだけ救われたか分かりません。
早期退職経験者の方自らが出されているリアルな体験談が載ったユーチューブやブログ、さらには一つ前の記事で書いた通り、クラウドソーシングでお金が稼げる・・・など、ネットが貢献してくれた度合いは計り知れません。
ちなみに今の若い方にとっては、ネットは生まれた時から当たり前のように存在しているので、空気のように思っているかもしれません。
しかし私のような50代で早期退職した人間の場合、そもそも入社時にはインターネットの世界なんてありませんでした。
インターネットがこの世に初めて現れたのが1995年で、私は当時すでに社会人として働いていました。
もしいまだにインターネットが普及していないと考えた場合、早期退職した人間がお金を作る手段は、また誰かに雇われるという手段しかなかったでしょう。
その他では株の運用とか、脱サラとかで店を出す・・・なんて方法が考えられますが、「脱サラ」って言い方も懐かしいですね(笑)。
また、株の運用といってもネットがなければ、証券会社にいちいち出向いてやらなければなりません。
こう考えれば、ネットがあれば再就職しなくても、何かしら生きていける方法があるのではないか?と希望が持てるようになります。
4.時間に束縛されるのがイヤ
会社員時代は、月曜から金曜までは仕事で土日祝が休み、というサイクルで生活していました。
これは小学校~高校・大学までとさほど変わらず、これが普通と長年思っていて、何の疑問も持ちませんでした。
ただ、早期退職して振り返ってみると、月~金だけ仕事とはいえ、土日の休みも完全に仕事のことを忘れることが出来ていなかったと感じます。
土曜のAMは、まだ起きても何となく仕事の疲れは残っています。
その疲れは体力的なものもそうですが、私の場合、会社員時代の晩年は精神面のダメージが大きかったです。
なので土曜の朝から意欲的に休みを満喫出来るか?、というとそうではありません。
ようやくPMになって徐々に休みモードの頭になってきますが、これも日曜の夕方になると、また翌日からの仕事のことで頭がいっぱいになります。
会社を辞めてからこんなサイクルを思い出すにつれ、「結局休みといっても、月~金の仕事に合わせて休みを取らされているだけじゃないのか?」ということに気付いたのです。
仮に早期退職後、週に3日だけ9時~5時でコンビニ店員や運転手などで、アルバイト的に働いたとしましょう。
ただ、この場合でもサラリーマン時代同様、週に3日といってもその前後の日は疲労回復や翌日に備えての体力温存など、何かと束縛された感じになることが容易に予測出来ます。
しまいには「自分は一生束縛の下で生きなきゃいけないのか?いつになったら解放されるのか?」、なんて思うと馬鹿らしくなり、ならば再就職などせずに、勝手気ままに24時間365日自由に使える方がいいと思うようになったのです。
再就職してしまえば、そんな天国の状態が奪われてしまいます。
ネットでよく見かける論調の記事にこんなのがあります・・・
・・・・「会社都合で早期退職を余儀なくされたAさんは、収入は以前の3分の2まで落ち込んだが、何とか前職の経験を生かせる職場に無事に再就職が出来ました」・・・
こういう記事ですが、「無事に」という箇所に、大いに違和感を持ってしまいます。
「無事」の基準は何なのでしょう?
早期退職によってせっかく「組織」という、怖くて最悪な場所から抜け出せたのに、またそこに戻ってしまうことが「無事」なのでしょうか??
ひまやりさんのブログを昨日見つけて感動しました。小生も同じ立場で同じことを考えています。勝手気ままに24時間365日を自由に使える生活はまさに天国ですよね。お体に気を付けて、これからもブログをよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
私と同じ立場の方がいらっしゃるというのは、とても心強いです。
会社員時代を思い出すと、「毎日何のために生きていたのか?」と、抜け出せない日々に悶々としていました。
もうあんな頃には戻りたくないですね・・・
日曜日にも関わらず、返信ありがとうございます。
サンデー毎日とは言うものの、そもそも会社員時代のサンデーとは全く違いますよね。夜のサザエさん症候群もありませんしね(笑)
コメントありがとうございます。
そうですね。土日はどこに行っても混雑するので、逆に平日に動くことが増えましたね。
散髪なども平日に行くとほぼ待ち時間がなくて、ストレスもないです。
返信ありがとうございます。
ひまやりさんは資産運用とかされていますか?私は54歳になり、働かなくても食べてはいけることを確認できたので、運用していた投資信託を利益のあるうちに全て解約しました。一番の理由は、万が一暴落を食らって資産が激減しても、労働現場に戻るのはもう無理だと思ったからです。ひまやりさんもおっしゃるように怖くて最悪な場所ですからね。
コメントありがとうございます。
私も投資はよく分からないのでやっていません。
ただ、ポイントサイトなどを経由してFXなどの口座を作り、2~3回取引しただけで1万円や2万円がの特典分がもらえたりするので、口座だけはたくさん持っています。
返信ありがとうございます。
ひまやりさんのブログは腹に落ちることばかりで、まるで同じ会社かなと思う程です(笑)。
プライベートなことをお尋ねして恐縮しますが、年齢はおいくつですか?退職金の割増分だけで15万円×12ヶ月×15年=2,700万円ということは超一流企業ですね。私は旧お役所の金融機関でした。
コメントありがとうございます。
私は52歳で、一般的な生活商材(美容系・アパレル系)を扱う会社にいました。
外から見ていたら若手社員も多くて活気があると思って入社しましたが、入ってみたら何かとギャップを感じるサラリーマン時代でした。
日曜日にも関わらず、返信ありがとうございます。
サンデー毎日とは言うものの、そもそも会社員時代のサンデーとは全く違いますよね。夜のサザエさん症候群もありませんしね(笑)