早期退職後に考えた「月に最低限いくらで生活出来るか?」

切り詰めれば月に5万円前後で生活は出来る

早期退職した後、「究極はいったい月にいくらあれば生活が出来るんだ?」と考えるようになりました。

会社員をやっていた時代は、そんなことをじっくり考える余裕はなかったです(日々、ストレスまみれで考える気力がありませんでした)。

ただ、早期退職し、無駄にダラダラとお金を使っていても心が満たされないことが分かってくると、最低限の生活をするにはいくらくらい必要なのか?を考えるようになりました。

私の場合は、住宅ローンが残っていて、それには割増分の退職分をあてようと思っていますので、家賃については除外して考えてみました。

その結果、家賃を除くと、月に5万円前後でなんとか生活出来ることも分かってきました。

実際に退職された方のブログや動画を見ていて、そこで月々の生活費の明細が公開されているものが大変参考になります。

例えばこの動画です。この方は、家賃込みで年間100万円以内で生活されています(単身世帯ですが)。

この方の別の動画で、家賃が月に約32,000円と公開していますので、家賃を除くと概ね60万円あれば1年間生活出来ることが分かります。

つまり、家賃を除くと、月に50,000円くらいあればなんとかなるわけです。

単身で生活されている方の動画とはいえ、具体的な額が公開されているということで、とりあえずこの額を見て私はちょっと安心出来ました。

年金をもらえる65歳まで私はまだ10年以上ありますが、割増退職金を大事に少しずつ使えばこういった動画を参考に節約し、会社員時代に染み付いた無駄遣い癖をなくす生活パターンを確立すれば、住む家がなくなって、野宿するなどの、悲惨なことにはならないと安心することが出来ました。

ファイナンシャルプランナーの計算する「リタイヤに必要なお金」の計算は役に立たない

逆に不安な気持ちにさせられるのが、ファイナンシャルプランナーによる試算です。

早期退職の募集が会社から出た後、ネットで情報を集めている時に、ファイナンシャルプランナーが計算した「これだけあれば何歳でリタイヤが可能」・・・的な記事をいくつか読みました。

ただ、自分が早期退職して振り返ると、ファイナンシャルプランナーの試算する額は鵜呑みにしない方がいいと思うようになりました。

理由は、そういった専門家の計算した額のお金を貯めてからリタイヤしようと考えていると、一生リタイヤなど出来ない、と思ってきたからです。

ファイナンシャルプランナーは、「月に8万円あればギリギリの生活が出来る」なんてことは絶対に言いません。

会社員時代の生活を軸に食費や娯楽費、予備費などを計算に入れます。

なので「リタイヤ後も余裕ある生活をするには、月に15万~20万は必要」などと試算します。

これだけを聞けば、早期退職に応募するにあたって、二の足を踏むことにもなりますね。

50代で退職した後に、再就職やアルバイトで月に15万って・・・と思うと気が滅入って気持ちが暗くなります。

ただ、こういったファイナンシャルプランナーの試算にあたっては、「節約」という観点は全く組み込まれていません。

ファイナンシャルプランナーという立場上、今の生活レベルを落とし、節約ということを組み込んで相談者にアドバイスすることは出来ないのでしょう。

そもそも、ファイナンシャルプランナー本人が現役の雇われの身である以上、仕事がイヤで早期退職して、極力再就職したくない人のホントの気持ちは分からないのだと思います。

私も辞めるまでは組織の中にいましたので、「再就職しなくていい」⇒「ならば節約を苦に思わない」⇒「節約しても心は穏やか」・・・というふうに気持ちが変わっていくとは想像もしていませんでした。

根底にあるのは「再就職したくない」ということ

このような「ギリギリで生活するために必要なお金」のことを考える理由はたった一つです。

早期退職者の多くは、「もう会社などの組織に属して働くのがイヤ」だからです。

日々我慢の連続だった会社員時代の窮屈な生活にまた戻るくらいならば、節約して精神的に楽な状態で日々を過ごしたい・・・

こう考えるのは私だけでなく、50代で早期退職した方の大半が思うことだと思います。

 関連記事:早期退職者が再就職したくない4つの理由

ただ、「働かなくてホントに年金がもらえるまで貯金が持つのか?」「ネットでクラウドソーシングなどをやって稼ぐ場合、目安は月にいくらか?」などを考える際、生活するのに最低限いくらかかるのかを知ることが重要になります。

これにつき、家賃除くと1人当たり月に4~5万円でどうにかなると分かれば、生活の落としどころも考えやすくなります。

会社員時代のストレスを2度と感じなくていいならば贅沢はいらない

会社員を辞めて数か月経ちますが、辞めてからは冷や汗をかいたり、イライラすることがほとんどなくなりました。

従って日が経つにつれて「いかに会社という場所がストレスを溜める場所だったか」、ということを再認識しています。

なので、あんな場所に戻らなくていいだけで幸せで、それ以外の幸せはないと思えるようになりました。

生活は普通に雨風がしのげて、朝・昼・晩の3食が食べられればそれれいい、という気持ちになります。

ちなみにこの動画でも、節約していても心は穏やかで生活している人が多いと紹介されています。

ただ、この動画の「月3万円」というの、はさすがにちょっと普通は難しいかなとは思いますけどね(笑)。

家賃込みで月3万というのは、普通はあり得ません。

また、1日2食や、歯磨き粉を使わずに塩で歯を磨くなど、さすがにここまではしなくてもなとは感じました。

ただ、この動画を見ていても、再就職せず、節約を軸にすれば生活していける例が示されています。

また、多くの方が「心が穏やか」という点にも、大いに安心感を持たせてもらえます。

30年近く会社員をしてきてもこの有様である・・・

このブログを読まれている方は、大半が私と同じく早期退職された方だと思いますが・・・

もし20代、30代の方が読まれていれば、自分のこの先の会社員生活に不安を持たれるかもしれません(笑)。

私は一応上場会社にいました(超大手ではなく、中堅企業ですが)。

大卒後、最初に入った会社で約30年、一度も転職することなく働いていました。

早期退職で割増分の退職金はもらいましたが、今回の記事で書いたようにやはりお金の不安はあります。

そのために「節約」という方向に舵を切り、退職して数か月経ってようやく会社員時代のお金の使い方から少しづつ脱却出来てきた感があります。

ちなみに上場企業で大卒でその会社一筋で約30年勤めても、人生の最後にはこのようにお金のことが気になり、節約ということを中心に考えて生活をしなければいけない日がやってくるのが、今の日本の実態なのです。

日本というのは、いつの間にかこういう国になってしまった、ということではないでしょうか?

それでも気持ち的には「会社員時代のあの憂鬱な精神状態からしたら節約の方が全然マシだ」、という落としどころにいきつき、気持ち的には穏やかになります。

「退職後は悠々自適に世界一周旅行」・・・などと聞かされた時代もありましたが、もうこの国にいればそんなことは出来なくなってしまった、とも言えると思います。

  1. いつも勉強になるブログをありがとうございます。
    ひまやりさんは住宅ローンを除いて月5万円前後で生活できると仰っていて感心しています。我が家は夫婦二人で光熱費が2万円程かかり、それに加えてマンシヨンの管理費等を合わせるともう5万円近くになってしまいます。年金生活している夫婦の生活費は月額約22万円だそうですが、年金生活に備えてその位を目指しているところです。
    確かにファイナンシャルプランナーは金融商品を販売する目的があるのか、かなり生活費を多く見積もっている気がしますね。
    老後資金を考えた場合、結局年金頼みになってしまいます。年金をもらうまでは資産を取り崩し、年金をもらい始めると年金だけで生活できれば良いですし、年金だけで足らなければ資産を取り崩すことになるのでしょうか。その他、物価や医療費、介護費用を考えるときりがないと思いますが、寿命がわからないので結局のところ、老後資金がいくらかかるかは分からないのが答えなのでしょう。
    それだけに家計を小さくしておくことが大事ですよね。
    早期退職するまでは投資の運用益で何とかなると楽観的に考えてましたが、この歳になって暴落なんか食らってFIREを卒業できないと思い、マーケットから退場しました。
    それから収支計画表を作って、想定外の出費がなければ125歳まで資産が枯渇しないことを確認し、とりあえず安心した次第です。それでも年金制度の変更があると分かりませんが、これ以上考えるのは愚問かなと思っています。

    • コメントありがとうございます。
      お金の件は先々が読めませんよね。ただ、今回の記事に載せたユーチューブ動画の方の例を参考にするならば、引っ越しもいずれ考えなければならないかなとも思っています。もしくは「リバースモーゲージ」?というのも、検討し、家賃・住宅ローンを減らすことも考える必要があると思ってます(またこの件は名称を知っている程度です・・・)。
      この先、日本で早期退職が当たり前の時代になれば、30代の頃に25年や30年の住宅ローンなんて組めなくなりますね。
      人口も減るし、空き家だらけになるような気もします。不動産業界はやっていけるのか?そうなればいっそ買い替えた方が安いのか??勉強することはこの先も多そうです(笑)。

    • コメントありがとうごいます。
      よくサラリーマンのうちにローンを組んで不動産投資を始めて、ローンは入居者が返済してくれて、返済が終われば自分のものになるとの方法が紹介されていますが、空室リスクが怖いですね。経年劣化や競合物件で家賃を下げないと埋まらないこともあるでしょうし。
      リタイア後は、現金主義が一番リスクは少ないかなと思います。投資しないリスク、現金はインフレで目減りするリスクがあるとはいうものの、投資のように暴落して資産が半分になってしまうようなことはないでしょう。失敗して再就職はしたくないですからね。

  2. 不動産に関しては、便利で人気のあるエリアの物件とゴーストタウンのような不人気エリアの物件が完全に二極化すると思います。
    確実に人口減少は進んでいくと思いますが、それでも、人気のあるエリアの物件の資産価値はどんどん上がっていくと思います。
    結局は需給バランスで、不人気エリアの物件は、売りたくても買い手でつかず、買い叩かれてしまうリスクがありますね。

    • コメントありがとうございます。
      一時期、「マンション投資」について本を読んだこともあるんですが、空き家対策が最大のリスクと書いてある記事を読んだ時点で、辞めたほうが無難だと思ったことがあります。
      人口が減る一方の日本では、投資もやりにくくなっていますね。

      • コメントありがとうごいます。
        よくサラリーマンのうちにローンを組んで不動産投資を始めて、ローンは入居者が返済してくれて、返済が終われば自分のものになるとの方法が紹介されていますが、空室リスクが怖いですね。経年劣化や競合物件で家賃を下げないと埋まらないこともあるでしょうし。
        リタイア後は、現金主義が一番リスクは少ないかなと思います。投資しないリスク、現金はインフレで目減りするリスクがあるとはいうものの、投資のように暴落して資産が半分になってしまうようなことはないでしょう。失敗して再就職はしたくないですからね。

        • コメントありがとうございます。
          リタイア王子さんの仰る通り、現金が一番安全だと思うように私も考え方が変わりました。
          毎月定期的に収入が入って来ないので、投資して減った時、一時的な含み損でも精神的に嫌な気分になりますよね。
          そもそも、含み損でその後その損が解消されればいいですが、数年塩漬け状態で動けなくなる可能性もありますし・・・。

          • コメントありがとうございます。
            私はJリートというオフィスビル等に投資する不動産投資を先々月まで約10年間してました。リタイア後、資産の殆どを投資してましたが、乱高下する今年のマーケットに疲弊し利益のあるうちに退場しました。
            今から思うとリスクを取りすぎで、よくあんな怖いことをしていたなと思います。
            コロナショックで評価額が4割ほど下落したのは経験しているのですが、まだ会社員で安定した収入があったこととコロナさえ収束したらマーケットは復調すると確信してましたので、精神的に耐えられました。
            でも、今リーマン級のショックがきたら本当にキツいです。せっかくリタイアして仕事のストレスからは解放され、欲張らなければ悠々自適の生活ができたのに、後悔してもしきれないし、仕事探しに奔走しないといけませんからね。
            ひまやりさんの参考にしていただけて良かったです。

          • コメントありがとうございます。
            私も投資で神経をかき乱された経験があります(FXです)。
            当初は投資で増やすつもりはなく(増やすテクなどなかったので)、ポイントサイト(モッピーやハピタス)で登録し、何回か取引するだけで1万円分や2万円分のポイントがもらえるという方法を知ったので、そのポイント目的での登録でした。
            負けてもポイントで吸収出来ると考えてやっていただけでしたが、思いのほか最初に利益が出てしまい、これはいけると思ってポイント目的で登録した初心を忘れ、その後普通にFX投資をしていたところ、2020年の7月にコロナの影響で大きく相場が動き、1年以上塩漬けにせざるを得なくなった経験をしました。
            最終的には1年以上たってチャラになった時点で取引しましたが、投資のバカらしさをその時体験した次第です。

  3. コメントありがとうございます。
    ひまやりさんの「投資のバカらしさ」というお言葉が腹に落ちました。上げても下げた分を取り戻しただけということがよくあって、結局何をしていることやらよく分からなことが多いです。一喜一憂せずとはいうものの身銭をかけてやってるので、そんなお釈迦様みたいな気持ちにはなれないです。乱高下しているうちはまだしも、リーマン級のショックがきたら取り戻すのに5年程はかかるでしょう。全く保証はありませんが。
    話題は変わりますが、毎月定期的な収入が入ってこない不安について、最近考え方を変えました。
    私もJリート投資をしていたときは毎月分配金をもらえていました。殆ど元本の払い戻しで、利益になっていなかったのですが、とりあえずキャッシュフローがあるということでの安心感はありました。それが早期退職して給料もなくなり、投資をやめて分配金もなくなり本当に不安に思いました。分配金はまだしも、給料がなくなったことは不安が大きいです。
    でも給料はあくまで将来もらえるお金で、万が一、健康上や人間関係の理由等で退職したらもらえなくなります。決して保証されたものではありません。
    今、早期退職してまとまった資金を持っている方が絶対的に安心なのです。資金を取り崩すだけの不安はありますが、給料をもらえるかどうかの不安はもうありません。そう考えると少し気持ちが楽になりました。
    取り留めのない私の気持ちの変化です。

    • コメントありがとうございます。
      約30年、毎月入ってきたお金がなくなるのは慣れるまで大変ですね。私も今はまだ失業保険が入ってきてますが、6月頃で切れますので、その先は60歳の確定拠出年金分がもらえるまでお金がもらえません。
      ただ、「時間はお金で買えない」ということをユーチューブやブログで話している方も非常に多く、せっかく手に入れることが出来た「時間」を手放してまで稼がなければいけないお金ならば、そんなものはいらないなと思うようになりました。
      好きな時間に少額でもコツコツ稼げるネットの存在がありがたいなと思ってます。