早期退職後の起業について

日本は「レールに乗って安心した人生設計が出来ない国」になってしまった

40代後半から50代で早期退職で長く勤めた会社を辞めると、辞めた後の身の振り方を考えなければなりません。

選択肢として考えられるのは、大きく分けて3つがあると考えます

  • 1.再就職
  • 2.仕事を辞めてリタイヤ生活(セミリタイヤ含む)
  • 3.起業

このうち、1の「再就職」は、多くの早期退職者の方がNG(なるべく避けたい)と考えることでしょう。

これまで当ブログで私が何度か書いた通り、20年~30年毎日しんどい思いをしていた会社という憂鬱な組織からやっと抜け出せたわけですから、またあんな場所に戻るのは御免だと思う私のような考えの方が多いと思います。

なので、理想は「2」のリタイヤ生活が叶えば一番いいのですが、65歳までの年金支給までの期間を乗り切ることに先の見えない不安があるのも事実です。

これは金銭的な面もありますが、同時に精神的に自分がこの先どういう心境になっていくのか?などもまったく分からないのが、漠然とした不安を抱える要因の1つと考えます。

昭和の時代は、会社員の人生というのは「定年まで1つの会社で勤めあげ、その後は年金生活」というレールがありました。

なので多くの先人がこのレールに乗って人生を生きていたので、模範というか、モデルケースのような方がたくさんいたので安心感が持てていたのです。

ただ、今の日本はもうそのような「レールに乗った人生」は崩壊してしまいました。

早期退職者にとって重い「起業」という表現

このような先の見えない不安定なご時世になったということで、早期退職者が目指す方向として、「起業」という道も選択肢として紹介される機会も増えてきました。

私が退職前の会社に紹介されて登録した再就職支援会社でも、この「起業」向けのオンラインセミナーが開催されており、私はこの記事を書いている時点でまだ受講中です(月2回)。

 関連記事:早期退職後に再就職支援会社に登録するメリットは?

ただ、この「起業」というのは、1つの会社に長く勤めていた人間にとってはハードルが高いと感じるのが正直なところです。

そもそも、まず「起業」という表現自体が非常に重く感じてしまいます。

「起業」というのは、「新しく事業を起こすことで、創業(そうぎょう)ともいう」という定義です(ウィキペディアより)。

こういう定義ですから、「起業なんか自分に出来るはずがない」と早期退職者が思ってしまうのは当然の成り行きです。

自分には独立なんて無理だと思っていたから会社員をやっていたわけですからね・・・

ちなみに新しく事業を起こすと聞くと、販売会社にいた私などは、「自分が何か商品を売って売り上げを作る」という発想程度しか頭に浮かびませんでした。

退職して数か月経った今だと、もっと他にも選択肢があることは分かってきましたが、会社という狭い世界に長くいると、思考回路が止まってしまい、発想する力もなかったのです。

ちなみに、自分が何かの「モノ」を売ると考えた場合、例えばコンビニのフランチャイズオーナーになって開業するとか、ラーメン好きが興じてこだわりのスープを自慢にしたラーメン屋を開業するなどが思いつきます。

あとは税理士や中小企業診断士の資格を取ったりして事務所を開業するなどですが、いずれも「ごく普通の特に取り柄のないサラリーマン」だった人間が起業するには、ハードルが高過ぎると尻込みする業種ばかりです。

コンビニやラーメン屋の場合は、開業資金がかかってしまい、在庫や従業員も抱えるわけですから、金銭的なリスクが高過ぎます。

また、税理士などの資格を取得をするといっても、50歳前後から資格の勉強をするなんて気が滅入ります。

若干でも現役のサラリーマン時代にかじった経験があればまだしも、何の知識もないアラフィフがそんな世界に身を投じる気にはとてもなれないのが普通の感覚でしょう。

ただ、そもそも起業と聞いてこういう業種しか頭に浮かばない時点で、今の時代の流れについていけていないことを、我々50歳前後の人間は自覚しなければいけないと思います。

早期退職者が出来る「起業」 ⇒ 情報発信ではないか?

結局のところ、「起業」といっても在庫リスクや従業員を抱えるリスクなど、「退職金に手を付ける」リスクを避けたいのが、早期退職者の偽らざる心境です(私はガッツリその思考です)。

となれば、20年~30年、1つの会社に勤めていた人間が出来る起業は何か?と考えると、「情報発信」という仕事が浮上します。

つまり、「情報を売ってそれをお金にする」というわけです。

これは、はじめて聞くとピンと来ないかもしれません。

また、ネットで売られている情報商材と聞くと、うさんくさいというイメージを持たれていることも多いので、最初は「何言ってんだ、冗談じゃねぇ・・・」と思うかもしれません。

ただ、そもそも私のこの記事自体も、そんな「情報発信」の一つになっているのです。

この記事は無料で提供していますが、ネットを通じてこういう情報を発信し続けていれば、もしかしたらどこかの出版社から「定期的に記事を書いてくれませんか?」などのオファーが来る可能性も0ではない・・・

また、ブログやメルマガを発信して反応が良ければ、それをユーチューブにアップして収益化を目指す、というのも情報発信という起業のやり方でしょう。

情報商材を作ってPDFや紙媒体で高額で売り、中身がスカスカというのならば詐欺まがいですが、ネットやSNSが普及した今の時代は、情報の売り方も多種多様に出来るようになっています。

こういった情報を扱う起業の最大の利点は、金銭的なリスクが0だということです。

先ほどの例のコンビニやラーメン屋開業などのように開業資金がかかることもなく、失敗しても金銭的損失は0。

仮に自分が情報発信して1円も利益が出なかったとしても、マイナスにはならず、プラスマイナス0のラインから下に下がることはないので、この形の「起業」ならばやってみても損はありません。

売り上げが0であったとしても、自分が情報発信に際して勉強した知識は身につくわけですから、いずれそれが役に立つ場面は訪れるはずです。

早期退職者が発信する情報は実は貴重なモノ

「何の取り柄もないサラリーマンだった自分が発信出来る情報なんてない」、と考える方がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです!

早期退職者個々が持っている自分の体験談ほど貴重なものはありません。

例えば大手企業を退職された方は、自分が長く勤めた会社生活のことを情報発信すればいいのです(社名は伏せて)。

これが誰の役に立つかというと、例えば就活生です。

令和の時代になってもやはり大手企業のブランド力は高く、有名大学の学生の中には誰もが知っている超有名企業に入社したいと考える若者が多いと聞きますが、ネットを検索するとそのような企業でも、仕事内容がホントにつまらなかったり、いまだに古い企業体質が残っている、という情報を発信している方も多いです。

例えばこの動画です。

この動画の発信者は早期退職された方ではなく、30代の方ですが、このような生々しい体験を基にした情報というのは、情報コンテンツとして非常に価値があると考えます。

こういう情報を知ると、就活生の中には「大企業に入っても人生安泰じゃないのか・・・」と、就職活動の方向性を見直すきっかけになるかもしれません。

早期退職が日本で行われ始めたのがここ10~15年くらいですので、まだまだ早期退職した方がその後どうなったのか?とか、会社員時代にどんな気持ちで勤めていたのか?、さらには早期退職された時、会社に対してどんな感情を持ったか?などの情報は、まだあまりネット上でも見かけません。

また、早期退職した方の生の情報は、早期退職をするかどうか悩んでいる方にとっても貴重になります。

そういった情報が「どうやってお金になるか」がこの段階ではまだぼやけている感じですが、「貴重な情報というのはコンテンツとして非常に価値があり、それらはいずれお金になる」ということを教えてくれている動画もあります。

例えばこの動画です。

この動画の発信者も、早期退職された方ではなく30代ですが、早期退職した50歳前後の我々でも、聞いていて納得出来る内容が詰まっています。

ちなみにこの動画は発信者の方も動画内で話している通り、「情報商材自体にアンチがいる」ことも認識して出されています。

ただ、この動画を私が当ブログで紹介し、拡散している時点で価値のあるコンテンツとなっているというわけです。

人から、「情報商材って実際どうなのよ?」と仮にあなたが人から聞かれたとしましょう。

その場合、この動画を見ていればそれなりに応えることが出来ますので、「情報商材にちょっと詳しい人間」として第一歩を踏み出すことも可能です。

50歳前後で早期退職した我々が「起業」と聞くと、まだネットが普及していなかった時代の「脱サラ」をイメージしがちです。

そして脱サラと言うと前述のラーメン屋開業などの発想になるのですが、ネットの普及であらゆる情報が個々にシェアされる時代になった結果、起業はネットから出来る時代になったのです。

これは、あのホリエモンこと堀江貴文氏も、自身のユーチューブチャンネルで話しています。

  1. 同感です。たとえ百万円でも初期投資が必要な起業はしたいとは思いませんね。まとまった不労所得がある人以外は、早期退職後は資金の取り崩しのフェーズに入っていますので、いかに資金を減らさず長持ちさせるかがテーマです。
    常に安全運転でいきたいと思います。

    • コメントありがとうございます。
      今の時代、よほどの勝算がなければ早期退職してお店を開業なんて考える方は少数かと思いますが、中にはリスク承知でされる方もいるんでしょうね。
      記事に貼り付けた動画の方など、起業の参考になるのは若い方が多く、学ぶことが多いと感じます。
      会社員時代はまわりもみんな保守的で、そもそも「起業」を考えるエネルギーなんてストレスで会社に搾取されていましたので、やっとこの機に及んで学び直しが出来ているなと感じます(笑)。

  2.  返信ありがとうございます。
     老後資金が確保できている早期退職者の場合、金銭的なリスクが0でネットから起業できるのならチャレンジしてみようと思いました。
     30代位の若い世代ならしっかりと生活資金を稼がないといけませんが、早期退職者の場合は、資金の取り崩しスピードを少しでも遅くできれば十分です。
     余裕をもって起業できるという立場では「早期退職者は終わっていない」と思いました。

    • コメントありがとうございます。
      若い世代の方が生活資金を稼ぐために起業しているのには尊敬してしまいます。
      我々が社畜の頃は、「辞めたら大変だぞ」みたいな圧を会社や周りからかけられて、身動きが出来ませんでしたからね。
      リタイヤ王子さんの仰る通り、退職金があるので時間をかけてゆっくり企業について学べるのが救いです(笑)。

      •  返信ありがとうございます。
         やっぱり、ホリエモンこと堀江貴文氏は違いますね。リスペクトします。
         今はネットでどんな情報も無料で手に入る時代ですよね。リスクはかなり抑えられるし、中長期的に生活資金を確保できている早期退職者はかなり恵まれた立場にいるということを自覚しないといけませんね。しいて言えば、ハングリー精神や体力は若い人に敵わないかもしれませんが。いつまでに結果を出さないといけないというような時間的な制約もありませんし。
         社畜の記憶はそろそろ消し去り、新しいことを始める時ですよね。

        • コメントありがとうございます。
          ホリエモンさんの話は退職してみて非常に面白いと感じるようになりました。
          会社員時代は自分の思考が会社員モードで凝り固まっていて、異次元にいる人、みたいに思ってましたが(笑)。
          他の動画も見ているのですが、ホリエモンさんが今の日本がこうなってしまった原因に、義務教育の弊害を挙げているのも、聞いていて納得してしまいました。

    •  返信ありがとうございます。
       2点質問させてください。
       やり方によることは承知の上で質問しますが、ネットで起業して現実的に月5万円程度の収入は可能でしょうか?
       当方のメルアドはひまやりさんに公開されているのでしょうか?
      つかぬことをお伺いしますが、よろしくお願いいたします。

  3.  プロフィールのイラストがいい感じですね!

    • コメントありがとうございます。
      プロフィールの画像ですが、SNSで共感を得るコツの一つが、「アイコンは両目の入ったイラスト顔の写真にする。人は眼があるものに親近感を覚えやすい」とのことで、変えました。
      この情報は、タダでゲットしました(ツイッターで繋がった方が書いている「note」の無料記事に書いてありました。
      ホリエモンさんの言う通り、こういう有益な情報が今の時代は無料で手に入るということを認識出来た瞬間でした。
      また、簡単に無料で好みのアイコンが作れるサイトがたくさんある事も分かりました。

      •  返信ありがとうございます。
         2点質問させてください。
         やり方によることは承知の上で質問しますが、ネットで起業して現実的に月5万円程度の収入は可能でしょうか?
         当方のメルアドはひまやりさんに公開されているのでしょうか?
        つかぬことをお伺いしますが、よろしくお願いいたします。

        • コメントありがとうございます。
          私の場合、以前に記事でも書いたクラウドソーシング系で現状4万円前後は月に稼いでます(これは労働ですが・・・)。
          ただ、私はライティングのみしか出来ないので、これで5万円以上となると、朝から晩まで文章を書かねばならなくなるので、無理のない範囲で止めています。
          一番楽なのは、仕組みを作って24時間ネットで勝手に稼がせる、というのをよく聞きます。
          ただ、この稼ぎ方の難易度が高いと思います。
          ネットで起業し、勝手に稼がせることに成功している方が実際のところ、「何」で儲けているのかをずっと調べているのですが、ユーチューブの再生回数、情報商材の販売、ブログアフィリエイトなどかと思うのですが、キモになる部分はオブラートに包んで情報を公開している方が大半で、肝心な部分が見えません。
          (それが知りたければセミナーへどうぞ、って流れも多く、何となく怪しいのでその先に進んだことはありません)。
          なので現実的に月に20万とか30万とかの数字を出している方の実態が不明です(ホントかウソか?の見極めが難しいです)。
          リタイヤ王子さんのGメールアドレスは、私に公開されていますよ。

        • すみません、1人だけホントに稼いでいる方を少し前に見つけていました。
          この動画の方です⇒https://www.youtube.com/watch?v=Nndb-RasYEo
          この動画の3分10秒付近で、アフィリエイトで稼いだ額の実際の画面が出ています。
          この画面は「A8ネット」というサイトで、私も登録しているので画面はいつも見ています。
          とてつもない額だなと、思ったものですが、有益な情報を発信し、信頼されれば、先々はこういう稼ぎ方が出来るというお手本です。
          この動画の管理者のタコペッティさんという方は、私も記事内でいくつか動画を貼り付けさせていただいてますが、30代前後でネットでホントに稼げている凄い方だと思います。

        •  迅速な返信誠にありがとうございます。大変恐縮します。
           自分で言うのも何ですが、ひまやりさんとは境遇はもとより、会社員時代や早期退職後の思いもほぼ一致していますので、実際のところを少しでもお聴きしたいと思いました。

          • いえいえ、ぜんぜん結構ですよ。私も今のところ大して稼げてなくて、他の成功例の方の情報をシェアするくらいしか出来ていませんので・・・
            もう1つだけ恥ずかしながらお話しますと、10年ほど前からちょくちょく競馬関係の情報商材を作っています。
            そういう系統の商材を販売することに特化したサイトに出すだけで、作るのは無料。
            作ってしまえば終わりで、その後はダウンロードで購入されれば私にお金が入って来るという仕組みになっています(今もそこに置いたままのものがあります)。
            その商材はたまたま2~3年上手くいった(競馬で利益が出た)やり方を指南した必勝法の商材なのですが、中身は大したことがなく、ずっとその商材通り買っても黒字にはなっていません。
            ただ、そんな商材でも、10年で300件ほど売れています(単価が500円程度なので、10年で売り上げはたった15万円程度ですが・・・)。
            なので、ネットというのは、一度軌道に乗ると、不思議に売れることもあるんだなという感触はあります。
            とはいえ、単価500円でも継続的に効果の出ない商材を販売に出して申し訳なかったと思ってます・・・(いわゆる「クソ商材」という部類になるのだと思います。

  4. こんばんは
     昨日は丁寧なコメントをありがとうございました。少しずつですが、試行錯誤してみたいと思います。
     世間では明日から始まる日銀の金融政策決定会合の話題ばかりですね。異次元の金融緩和が修正されて、近い将来はもう少し預金に利息が付いて、早期退職者がリスクをとらずに収入が得られるようになってほしいと思います。
     ポジショントークですみません。

    • コメントありがとうございます。
      ポジショントーク、ぜんぜんOKです。そもそも、このブログ自体、ブログタイトルに「無責任」と入れたのは、早期退職した自分の立場を軸にしたものなので・・・。
      預金の利息の件と絡むのですが、一度確定拠出年金の記事も書こうと思ってます。
      辞めて数か月ネットでいろいろ調べて、今頃になってようやくこの制度の全容がおぼろげに理解出来たもので・・・。
      この制度は複雑過ぎます(笑)。