もはや驚かなくなった早期退職実施のニュースですが、また最近そのような記事を目にしました。
中外製薬が40歳以上の早期退職を実施したという記事が、4月28日の日本経済新聞の記事に出ていました。
全社員数の約5%が退職
中外製薬のホームページで従業員数を確認したところ、7,771人(2022年12月現在)とあり、今回374人が早期退職するとこととで、約5%の方が辞められるようです。
また、日経新聞の記事に「特別加算金などを含む約104億円を計上する予定」とありますので、単純に104億円を早期退職者374人で割ると、割増退職金の平均は2,780万円くらいになります。年齢や在職年数などでおのおのが実際に手にする金額には差がついていると思われますが、平均すると3,000万円近い割増金が支給されていることになります。
早期退職で割増退職金3,000万円は多いか?
単純に3,000万円という額だけを聞くと多いと思いますが、仮に50歳で今回の募集に応募した場合、少々事情は違ってきます。
前の記事でも書いた通り、早期退職者の再就職が厳しいとなれば、この割増金を切り崩すことを視野に入れておかねばなりません。
年金受給開始が現状の65歳のままだと仮定すると、15年間をこの割増金3,000万円でしのがなければなりません。単純計算で年間200万円です。月にするとだいたい17万円くらいです。この範囲で15年間、生き延びる策を練らねばなりません。
ちなみにこの計算は、年齢が50歳の方の場合です。今回の中外製薬さんの早期退職者は40歳以上とのことですから、年齢が若い方だと65歳までこの割増分だけでしのぐとなれば、かなり難しいのが実態ではないでしょうか?
早期退職は業績好調でも実施される
今回の中外製薬さんの早期退職実施は、売り上げ低迷で行われたのではありません。ヤフーニュースの記事によると、6期連続で過去最高の売り上げ収益と営業利益を更新しているとのことです。
つまり、このことから言えることは、完全に昭和の時代の終身雇用制は崩壊しており、これからはそう遠くない未来に、30代後半の社員あたりまで早期退職勧告が行われる時代が来るのでは?と個人的に思います。
また、年齢が高くなるほど再就職が叶わない確率も高くなりますので、どんどん失業者が生み出される社会構造になってきているのは明らかです。日経新聞の記事に「応募者には退職金のほか特別加算金を支給し、外部の専門会社による再就職支援サービスを提供する」とありますが、再就職支援会社に丸投げすることにより、活況を呈するのはそういったサービスを提供する会社ばかり、ということにもなることは必至です。
ホントに大変な時代になりましたね・・・
早急に、かつ真剣にベーシックインカムの導入をしないと、ホントに日本はヤバいと思います。
こんにちは
大企業の早期退職のニュースが多いですよね。仮に40歳で退職しても、まだまだ働かないといけないでしょうし、年金も確保できていない人が殆どでしょう。それにも関わらす、想像以上の応募者に驚きます。我々50歳代でもまだ先が長いのに。若い方が再就職が有利なんでしょうか?そうとも思えないのですが。
コメントありがとうございます。
私見ですが、恐らく組織の中が煩わしくて耐えられない方が多いのではないでしょうか?
大企業でもこんなに応募があるのには何か理由があるのだと思います・・・
再就職は40代前半ならばまだギリギリ転職可能って感じなのでしょかね?運も必要かと思いますが。
こんにちは
ひまやりさんの仰るとおりだと思います。大企業も社員を定年まで雇う余裕がなくなっているのでしょう。人員削減で、社員同志もぎすぎすしていることでしょう。
コロナ禍以降、会社の雰囲気が一変しました。会社に限らず、この社会の閉塞感は一体何なんでしょう。そう感じるのは私だけでしょうか?ニュースでは、今月からまた食品の値上げとか言ってますし、来月は更に多くなるとか、秋まで続くとか。静観するしかないですね。
コメントありがとうございます。
早期退職関連の記事で、「去るも地獄、残るも地獄」的なテイストのものがありますが、残った時の地獄を私は退職前に感じていました。
早期退職に手を上げなかったとしてもどうせまた近い未来で募集が出て「高齢者は辞めろ」的なムードを醸し出されるでしょうから、居心地は悪いでしょうし・・・
私の場合、辞めてからも会社の業績は回復していないようで、内心「辞めてよかった」と思えています。
日本の製薬業界にはあまり明るい未来はないですから。世界的に見て大企業が少なく競争力はない。医療費への国の支出が削減されると薬価を下げるか使用する薬の量は減っていく。実力がある奴は持参金やるから別業界に移れ!という会社の温情でしょう。
日本の医療業界には外貨を稼げるような売りがないので、日本経済の発展に寄与はできません。医療と介護は税金で賄うしかなく、言ってみればタコが自分の足を食べているだけです。日本のアカデミアの世界で、ビジネス、政治、アカデミアのバランスを上手に取ることができる唯一の人だった笹井先生をあんな形で殺してしまった。日本の医学界に未来なんてありゃしません。
コメントありがとうございます。
製薬業界のことは疎いですが、お話を聞いていると業界全体の状態は芳しくないようですね。
ただ、中外さんは6期連続で業績好調とのことですので、見た目は安定しているように見えますが、これが続く保証はないってところなのでしょうか・・・?
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/23177/
世界の製薬業界のまとめ。これを見て日本の製薬業界が頑張っていると結論出来る人はいないと思います。
日本は武田が最上位ですが、個人的に武田は外国人経営陣に食い物にされて終わると予想しています。
コメントありがとうございます。
頂いたURLでデータを見ると確かに日本の製薬業界は厳しい感じですね。中外製薬さんのリストラも、これを見ると理解出来ます。