早期退職することが決まると、次の手段の一つとして再就職支援サービス会社に登録するというものがあります。
近年、多くの企業が50歳前後の社員を対象に早期退職でリストラを行っており、その際に社員を辞めさせる会社が費用を負担し、再就職支援サービスを受けられる環境を整えている場合が多いです。
費用が自己負担でなければ登録がおすすめ
再就職サービス支援会社への登録は、早期退職者本人が費用負担なしで登録出来る場合、しておいた方がいいでしょう。ちなみに登録に関しては積極的に再就職する意思がなくても構いません。とりあえず登録だけはしておくと何かと便利な点があります。
ちなみに登録したからといって、支援会社から「○○様にピッタリな再就職候補先が見つかりました」などという連絡は一切来ませんのでご安心下さい(笑)。
この点は私も登録前、まったく知識がなくて連日再就職を促す電話やメールが来るものと思っていました。なので登録自体を躊躇していましたが、結局同じ時期に辞める社員の大半が登録していたので、しぶしぶといった感じで登録しました。
早期退職者は辞めてすぐは右も左も分からない
早期退職の募集というのは、多くの場合何の前触れもなく突然行われることが多いです。
企業の業績が頭打ち、ないしは下降トレンドで推移しており、このままの人員体制では会社の存続が危ないなどと判断した結果苦肉の策で行われることが多いです。
なので当然社員は早期退職の募集に応募するかどうかを考える時間的猶予はほとんどなく、多くの場合見切り発車で応募することが多いのが実情と思われます。
従って辞めた直後は何も分かりません。「早期退職1年生」といった感じで、再就職の実情などはほとんど知らない状態です。
私が辞めた直後は連日再就職を促す電話やメールが来るものと思っていたくらいですので、再就職支援サービス会社に登録しておくと、辞めた直後に何するべきかとか、転職市場の実情など様々な情報を得ることが出来ます。これがまずは大きなメリットです。
再就職する気がなくても担当者との面談はいい話し相手になる
会社を辞めますと、その日からビックリするほど人との会話が減ります。会社では自分のペースで仕事が出来ず、電話やメールで催促されたり急な来客でバタバタだった日々が信じられないような状態になることも多いです。
最初はそれが快適ですが、時間が経つと誰かと話をしたくなるもので、そういった際に最適なのが再就職支援サービスの担当者です。支援会社の担当者は多くの50代の早期退職者を受け持ったことがあるでしょうから、早期退職者の扱いに慣れています。
思い返すと私も担当してくれた支援会社の方に、随分的外れなことを話しした記憶があります。
「前の会社で組織にうんざりしたので、2度とあんな環境で仕事はしたくないです。なので組織という場所で働こうとは思っていません・・・」。
辞めた直後は、私のこの発言は会社が嫌で辞めた人間が普通に発する言葉といえるでしょう。
しかしそれから1年以上たった今、「そもそも雇ってくれる組織なんてほぼない」ことが分かりました。最初の段階で担当者の方はこんなことは分かっていたはずです。しかし、「そんな心配なさらなくても、50代の方が再就職で組織に雇われる確率は低いですよ」的な言い方はしませんでした(当然ですが・・・)。
なので、何も分からない「早期退職1年生」を、支援会社の担当者の方は上手くなだめてくれます。
また、もう一つの利点として、このような雑談のような面談でも、ハローワークの認定日に必要な最低2回の就職活動にカウントされるという点です。稀にハローワークから支援会社に、「○○さんという方はそちらの会社で支援サービスを受けておられますか?」という問い合わせが入るようで、こういった場合でも支援サービス会社は、面談記録を基に「○月○日の○時に就職相談を受けられました」と答えてくれます(このような問い合わせがハローワークから入ることはほとんどないようですが・・・)。
再就職支援サービス会社は極秘ルートの再就職先情報など持っていない
早期退職前(退職前の会社在職時点)に支援サービス会社のパンフレットや資料一式が渡され、オンラインで支援会社から「ご挨拶とサービスのご案内」という概要説明の時間が設けられました。
これを聞き、私の受け取り方が間違っていたのかもしれませんが、私は「この会社は独自のルートで再就職先の情報を持っている」と錯覚してしまいました。
話の内容が、「当社は誰でも登録できるわけではなく、早期退職を実施された企業様からのご紹介の元社員様限定でしかサービスを受けられません」的なことを話していた記憶があります。
また、ここを利用すると平均4.1か月で再就職先が決まり、1年以内に89%の方が再就職を決められている・・・などとも話していました。
「当社を利用された方は」というふうな言い回しだったため、それが私には「この会社は独自のルートで再就職先の情報を持っている」という大きな間違いに繋がったのです。
ちなみに私は組織にうんざりした人間なので、再就職はしたくなかったです。
なので4.1か月とか1年以内に89%と聞かされた時点では、「せっかく辞めるのに、また1年もしないうちにどっかで働かないといけないのか・・・」とげんなりしたことも鮮明に覚えています。
ただ、実際に支援サービス会社で担当者と面談してみると、独自ルートでの再就職先など持っていないことが分かりました。
担当者は面談で私の意向をヒアリングし、それに沿ってネットで希望に沿った仕事がないかを探しているのが実態です。もっとも「早期退職1年生」の身だと、どういったサイトから探せばいいのかも分からないので、今までネット副業など人生で一度もしたことがない50代早期退職者の方ならば、非常に助かるということは言えます。
ただ、私はクラウドワークス やランサーズでサラリーマン時代に副業を少々やっていたため、そういったサイトで仕事を探したことがありました。そして3度目の面談で、担当者から「こういうお仕事はいかがでしょう?」と提示された書面が、何とクラウドワークス で募集していた映像編集が会社だったのです(結婚式のエンドロールなどを制作している会社で、引っ越ししないと到底通えない遠方の場所が所在地でした)。この時点で、退職前に思っていた極秘ルートの再就職先など持っていないことが、ハッキリ分かりました。
再就職支援サービス会社はずいぶん儲かっているのではないか?
再就職支援会社というのは、ある意味今の時代のトレンドに見合ったサービスを提供しているのではないでしょうか?
早期退職というのは、まだまだ実施されている企業の数が全体的な規模としては大きくありません。
従って早期退職を促す企業側と、それに応じて辞めていく社員も、過去の事例が少ないのでよく分からない部分があるのが実態と言えます。
社員を辞めさせる側の企業は、割増退職金だけ出して長く勤めた社員をポーンと放り出すわけにもいかないでしょう。そんなことをすれば万が一の場合会社の悪いうわさが広がり、「○○社はいらなくなった社員の首をどんどん切って後は知らん顔をする人を粗末に扱う会社だ」などという風潮が広まれば、若い人も応募しなくなってしまいます。
従って例えポーズだけでも、「ウチは早期退職の皆さんにこのような配慮をしましたよ」ということを示す必要があります。とはいえ、そういった企業が早期退職者の転職事情に詳しいはずもないので、そこはその道のプロである再就職支援サービス会社(世間で名の通った転職仲介会社の系列の場合が多いです)にお任せ、という感じになるのだと思われます。
ちなみに私見ですが、どの支援会社がふさわしいかさえ普通の企業だと幹部や人事部担当者も分からないでしょうから、経営陣の知り合いの経理コンサルなどに、「早期退職者の再就職支援サービスの受け皿にするのはどこのサービス会社がいいだろうか?」などとアドバイスを求めていることも考えられます。
そしてそのくらい何も分からないサービスなので、おそらく受け入れ先からの言い値で料金も決まっている可能性があります。もっとも支援会社自体もぼったくる気はないでしょうから法外な料金は請求していないと思いますが、そもそも早期退職者の再就職支援サービス会社の数自体が多くなく、早期退職者という事例が世の中で起こりだしたのが最近なので、そういったサービスの「相場」なんてないはずです。
なので、支援サービス会社は結構儲かっているのではないか?と思いますが実態はどうなんでしょうね(笑)・・・。この先こういった支援会社は増えると思いますが、よく分からない状態で早期に参入したところが、かなりの先行者利益を得ていると考えてしまいます。
また、社員を早期退職させた企業側は、無事に元社員が再就職出来ればいいと思っているでしょう(思っていないかな??(笑))。
しかし実際に私も自分がしたくなかったとはいえ再就職は出来ていませんし、多くの早期退職者も再就職出来ていないのが実態です。となれば、平均4.1か月で再就職先が決まり、1年以内に89%の方が再就職を決められている・・・という支援会社が示した数字は何だったのか、と個人的に大いに疑問が残ります。
また、送り出した元企業は、再就職出来た人数が少ないという実態を知ると、「何のために支援サービス会社利用の費用を出したんだ!」なんて思ったりするのでしょうか?
こんばんは
早期退職者の再就職には、やはり勇気が要りますね。就職が決まるのも難しいですが、こちら側のモチベーションが心配です。パートですら、辛かったら辞めてもいいと思うと、長続きしません。前の会社を33年間勤められたのを、我ながら感心してしまいます。良いも悪いもハングリーでなくなったということですね。
だから、早期退職したのですけど···。
コメントありがとうございます。
再就職支援サービス会社の最初の説明会で、「辞めてから間が空くとどんどん採用される%が下がるので、出来るだけ早く活動されることをおすすめします」と担当者の方が言ってました。これは、リタイヤ王子さんの仰る通り、早期退職者は日が経てばハングリー精神がなくなっていくという面もあることを見越してのことかと思います。
また、自分がこの立場になってみて分かりましたが、社畜生活を抜け出し、忙殺された日常から離れると、社会のひずみや理不尽さを強く認識するようになり、そういう人間は雇っても文句や不満を言ったりすぐ辞める危険性もあるので、新規の雇い主は使いにくいということなのかもしれませんね。なので「早めに活動してください」と促すのは、社畜モードが抜けない前に再就職先に放り込んで余計なことを考える暇を与えるな、って作戦でしょうか?(笑)・・・なんて考えます。
再就職支援サービス会社は訪問したことがありますが、そこにおられた求職者さん達の負のオーラがすごかったのを覚えています。その時は、費用自己負担だったので断りました。
早めに決めろと言われるのは、人材紹介社側で半年くらいで候補者を切り捨ててしまうからだと知り合いのエージェントが言っていました。中高年の就職はなかなか決まらないので、定期的に古い候補者を切っていかないと回らなくなるということのようです。
中高年で新しい職場というのは難しいです。一から指導してもらうというわけにもいかず、さりとてこれまでやってきた方法でやると軋轢になる。50代が転職先で同僚や客などからバカにされたり陰口を叩かれるのは当たり前なのでそこは割り切るしかないです。
結局、「働いたら負け」なんですね。特に中高年は。
コメントありがとうございます。
再就職支援会社に登録しても、再就職できる人はきっと少ないんでしょうね(データは持ってませんが)。
また、仮に出来たとしても、再就職先で上手くやっていけるかとなればまたそこにも問題があると思います。
早期退職前に経験した会社組織という場所の闇や煩わしさを思い出すと、「あんな思いはもうしたくない・・・」って思います。
こんにちは
ひまやりさんの仰るとおりだと思います。会社の採用担当者も百戦錬磨で、多額の借金でも背負っているのならまだしも、そうでければ仕事の耐性が落ちている、早期退職者のモチベーションを見通しているのだと思います。私はパートで働いて、年間100万円でも資産の取り崩しを遅らせればと思い仕事を探していましたが、なかなか採用に至らず、もう諦めました。それでほぼ無収入の生活になっているのですが、年間予算より100万円程少ない支出で生活できています。これでは、働くモチベーションが下がって当たり前ですよね!欲を言えばキリがありませんので、完全リタイア生活を謳歌することに気持ちを切り換えました。
コメントありがとうございます。
考え方によっては、早期退職支援サービス会社の担当者というのは楽かもしれませんね。
必ずしも担当している早期退職を100%再就職させなければいけないわけではないので、高校や大学入試の実績を作らなければいけない塾の講師に比べれば楽だと思います。その分、煮え切らない50代早期退職者の様子を見ながら対応するという面倒な面はあるでしょうけど・・・。
こんにちは
50代おじさんさんの含蓄に富むコメントもありがとうございます。
こんにちは
ひまやりさんのように、毎月3~5万円も定期収入があるのが羨ましいです。私なんか自宅の駐車場の賃貸で、月1.5万円と国債の利息収入しかありませんから(笑)。
コメントありがとうございます。
サラリーマン時代の晩年の憂鬱さから二度と雇われて働きたくないと思い、退職後半年以上ほぼ毎日PCとにらめっこしてようやくこの程度の額を稼げるようになった程度ですから、若い方でネットで月に50万とか100万稼いでいる方は凄いと思います。
ネットで稼ぐのは積み重ねと根気と自分でコツをつかむのが大変で、時間がめちゃくちゃかかるものだということが身に染みて分かりました。